Text by CINRA編集部
ミュージカル『昭和元禄落語心中』が2025年2月から東京・渋谷の東急シアターオーブ、3月から大阪・渡辺橋のフェスティバルホールで上演される。
雲田はるこの同名漫画をミュージカル化する『昭和元禄落語心中』。昭和初期、落語の世界に入った菊比古(八雲)は同期入門の天才・初太郎(助六)と固い友情で結ばれ、2人は芸者・みよ吉にも支えられ切磋琢磨するが、彼らの関係は思いもよらない道筋を辿ることになるというあらすじだ。
天才肌で華のある落語家として注目を集め、豪放磊落な性格で周囲を魅了する初太郎(助六)役に山崎育三郎、繊細な性格で初太郎の才能に焦りを感じながらも精進し、のちに「昭和最後の大名人」と称される菊比古(八雲)役に古川雄大、2人の人生に大きく関わることとなる芸者・みよ吉役に明日海りおがキャスティング。脚本・演出を小池修一郎が担当する。
同企画は、山崎育三郎がドラマ『昭和元禄落語心中』に出演した際、「ぜひミュージカルにしたい!」と思い立ち、同じ事務所の明日海りお、古川雄大に声をかけたことで実現したという。
福岡公演も予定。詳細は後日発表される。
【山崎育三郎のコメント】
1998年に小椋佳さん企画のオリジナルミュージカルでデビューした私にとって、日本オリジナルミュージカルを作ることは長年の夢でした。これまで、ブロードウェイ、ウエストエンド、ウィーン、韓国、世界の名作ミュージカルが日本版として上演され、私自身も何度も素晴らしい作品と出会い、人生が変わるような体験をさせていただきました。
しかし、次々とミュージカル作品が生まれている世界に比べて、日本オリジナルミュージカルが生まれ難いのも現状です。そんな中、6年前に出演したドラマ「昭和元禄落語心中」に出逢い、この作品の持つ儚く美しい世界に魅了され、撮影中からいつかこの作品をミュージカル化したいと心に秘めていました。
そして時が経ち、多くの皆さんにご協力いただき、ついに2025年に上演が決定いたしました。
演出にはミュージカル『エリザベート』『モーツァルト!』『ロミオ&ジュリエット』でご一緒した小池修一郎さん、共演には信頼するミュージカル界の戦友、明日海りおさん、古川雄大さん。
これまで共に作品を創り上げてきたミュージカル界の素晴らしいクリエーターの皆さんに集結していただきました。2025年春、日本発のオリジナルミュージカルが誕生します。
応援宜しくお願いいたします。
【明日海りおのコメント】
4年ほど前、山崎さんに「一緒にミュージカルやりましょうよ! 雄大も誘って!!」と声を掛けていただいた時のときめきを、はっきりと覚えています。そんな夢のまた夢のようなことが、来年の春に叶うことになりました。
お話をいただいて、原作の『昭和元禄落語心中』を一気に読み終えました。
人の夢や流した涙が、雨や桜吹雪、畳やおしろいの香りに煽られて、絡み合い、むせ返るようなあの世界に生きられること、とても楽しみです。
私の演じる、芸者のみよ吉は、今まで出会ったどの役とも違う感情が体を駆け巡りそうな予感がしています。
演出の小池先生、そしてお二人の素晴らしい先輩に必死について行きたいと思います。
ぜひお楽しみになさってください!
【古川雄大のコメント】
この度、ミュージカル『昭和元禄落語心中』にて八雲役を務めさせていただくことになりました古川雄大です。
僕も山崎育三郎さん同様、日本オリジナルのミュージカルがもっとうまれてほしいと切に願っておりました。そんな時にお声掛けいただき、日本ならではの原作にとても興味が湧きました。
参加させていただけること、とても光栄に思っています。何より同じ事務所の育三郎さん、明日海さんと共に、日本オリジナル作品をうみ出せる事に大きな意味を感じております。
必ず成功させたいと思っていく中、小池修一郎先生が脚本、演出という事で、間違いない作品が出来上がると確信に変わりました。
皆様に新しい世界をお届け出来ると想像するだけでワクワクが止まりません。
是非、ご期待、応援、よろしくお願いします。
【雲田はるこのコメント】
ドラマ版「昭和元禄落語心中」で山崎育三郎さんに助六役を演じていただいてから、ご縁が紡がれ、こうしてミュージカル版の落語心中が上演されることとなりました。
私は『ポーの一族』のミュージカル版も拝見し、夢中になりましたので、小池修一郎さんの演出と明日海りおさんのご出演にも、とてもワクワクしています。
さらに、山崎さん、明日海さんともご縁の深い、古川雄大さんとの共演も楽しみでなりません。
きっと今まで見たことがない「落語心中」の世界に連れて行ってくださることでしょう。
新しい空間で、彼らにまた会えることを楽しみにしています。
また、これを見てみんなが寄席を恋しくなって、落語を見に行くきっかけにもなると嬉しいです。
【小池修一郎のコメント】
4年前のある日、稽古場で山崎育三郎君から、提案された。
「明日海さんと雄大と3人のミュージカル、やりましょうよ!」
「え~!? そりゃ実現したら凄いけど…」
「僕から事務所に話してみます」
以後、忙しい3人のスケジュール調整がやっと適い、実現の運びとなった。
育君からは『落語心中』をやりたいと聞いていたし、単行本出版時に読んでいて、ドラマも観ていたので面白いと思いつつも、実際大劇場でのミュージカルとなるとどうか大いに迷った。思い余って原作者の雲田はるこ先生に直接伺ってみたところ「舞台のミュージカルになるなら拡大も圧縮もご自由に」とのお言葉を頂いた。
助六、八雲、みよ吉3人の愛と葛藤のドラマを、落語を絡めて描いて行きたいと思う。