isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2024年下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
別世界通信
今週のおひつじ座は、素知らぬ顔で遠いところへ足をのばしていくような星回り。
『月の人のひとりとならむ車椅子』(角川源義)という句のごとし。この句が月並みさに陥っていない最大の要因は「車椅子」の存在でしょう。
普通なら、病気や老いといった現実から自由になった解放感で、全身を飛びあがらせていくようにイメージさせるところですが、あえて車椅子にすわったまま、素知らぬ顔で月へ向かっていく景を描くことで、他にはない個性とあじわい深さが出ているように思います。
あなたもまた、いっそ「月の人」になっていくつもりで過ごしてみるといいでしょう。
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タナトスな遊び
今週のおうし座は、ある種の死の状態を積極的に取り返そうとしていくような星回り。
精神分析家のフロイトの発見した「Fort-Da」の笑いのごとし。生後1年6カ月になる孫娘は、お母さんがいないという悲しい出来事を糸巻き車の「いた!(Da)」と「いない!(Fort)」の記号に変えて、この記号を操作し、大喜びで笑っていたとのこと。
フロイトがすごいのは、普通なら象徴はこうして発生すると洞察して終わってしまいがちなところから、さらに一歩踏み込んでここから死の欲動としての「タナトス」を発見していったところ。
あなたもまた、そうしたタナトスの欲動がうごめき始めるのを実感していくことになるでしょう。
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やらないようでやっている
今週のふたご座は、「何もしないエロティシズム」を実演していくような星回り。
『月下の石二つ相呼びゐて触れず』(鷲谷七菜子)という句のごとし。
「石二つ」はむろん「人ふたり」の隠喩として読めますが、しかし石のようであるという想像が働くからこそ「触れず」にいるという事態が許されると同時に深まっているのであって、これが最初からただ人間そのままであったなら、哀しさも味わいもなかったはず。
あなたもまた、そうしたずっと変わらないようでいて、ある瞬間に嘘のように何かが変わってしまっているような「石二つ」を見出していくことになるかも知れません。
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過去との対決
今週のかに座は、改めて養生の第一歩に立ち戻っていこうとするような星回り。
養生をめぐる逆転や錯綜について、例えば野口整体の創始者である野口晴哉は、「養生」というエッセイの中で、次のように述べています(『偶感集』)
「断食して丈夫になる人あり。餓死する人あり。食いたくても食はぬ人には断食は健康法になり、食いたいのに食へぬ人は餓死する。生と死の境は「は」と「へ」のみ。養生の第一歩は心の「は」と「へ」を切り替えることにある。/「へ」から出発した行為には、鍛えるということは含まれてはおらぬ。「は」から出発した行為は、人間を鍛える。」
あなたもまた、食へぬ、遊べぬ、会へぬといった消極的な「へ」を、いかに積極的な「は」へと切り替えていけるかどうかが問われていくでしょう。
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真剣に遊ぶということ
今週のしし座は、ますます阿呆になっていくふりをしていくような星回り。
『コスモスの花あそびをる虚空かな』(高浜虚子)という句のごとし。気ままに風で遊んでいるコスモスの花たちは、まるで母なる虚空のふところに抱かれているようでもあり、掲句を繰り返し読んでいるだけでも、読者の内で遊ぶ子どもの無邪気さと母子一体の深い安心感とがおのずと結びついてくるはず。
ひるがえってみると、小さなコスモス(花々)と大きなコスモス(宇宙)のはざまに立っている人間が一番あそびが足らないのかも知れません。
あなたもまた、2つのコスモスに負けないくらい、どこまで「あそびをる」ことができるかが問われていくでしょう。
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<私>が帰するところ
今週のおとめ座は、「人生は夢である」という感覚を深めていこうとするような星回り。
アーノルド・ミンデルの『24時間の明晰夢―夢見と覚醒の心理学―』では、私たちが夢にコミットしていこうとするのは、この世での嫌なことを忘れるためといった現実逃避的な動機付けだけでなく、<私>が帰するところに対して視点を深めようとしているからなのだと言います。
すなわち、「すべての物事がそこから生起する、分(節)化していない全体的な世界の感覚に注意を払うこと」で、私たちは「夢よりも深い覚醒」に至るのだ、と。
あなたもまた、みずからの基盤を改めて確かなものにするためにも、こうした視点や理解はますます大切になっていくでしょう。
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脱俗を経ての俗ということ
今週のてんびん座は、図と地が反転し、これまで潜んでいた地の部分が浮上していくような星回り。
『去年より又さびしひぞ秋の暮』(与謝蕪村)という句のごとし。
作者の心の師である芭蕉の作に「この秋は何で年寄る雲に鳥」というよく知られた句がありますが、芭蕉句の象徴を用いた洗練された句法に比べると、やはり作者の地の部分である山深い信州出身の土臭さのようなものが濃厚に漂っているのがわかるはず。
あなたもまた、これまであまり言葉にすることのなかった地の声のようなものを言語化していくにはもってこいのタイミングと言えるかもしれません。
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密かなる訓練
今週のさそり座は、改めて心の動きを支えるインナーマッスルを引き締め直していこうとするような星回り。
入院などして急に筋肉を使わなくなると、短期間でどんどん落ちて、しまいには歩けなくなるほどに弱ってしまうように、心というのも油断して放っておくと、一気に萎んだり枯渇してしまうもの。
これはある種の極論でありますが、能楽師の安田登は『身体感覚で「論語」を読みなおす―古代中国の文字から―』で、「男時(おどき)、女時(めどき)」という世阿弥の言葉を引いて、運には「自分の方に運が向いているとき(男時)」だけでなく、「何となくいろいろなことが裏目裏目に出るとき(女時)」もあって、後者のときに心をいかに上手く使っていけるかが大事なのだと言っています。
あなたもまた、「女時」にある時にこそ、無心のまま過ごすのではなく、適度な心のエクササイズを心がけていきたいところです。
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月と人類史
今週のいて座は、できるだけ大きな流れのなかにみずからを置いていこうとするような星回り。
『人間であること久し月見草』(和田悟朗)という句のごとし。
月の光は太陽の反射光ですから、色としては黄色が中心であり、人の目には暗い場所で黄色が目立つように出来ている。作者はそうしたはるかな人類史のながれを、心に残った月見草の佇まいから一気に構想していったのだと思います。
あなたもまた、自分が生まれたり参加するようになるうんと前の歴史からの流れをたどり直してみるといいでしょう。
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ひょっこりはん
今週のやぎ座は、自分が心の底で信じている当のものについての本音が誰かどこかに漏れだしていくような星回り。
泉鏡花といえば代表作『高野聖』のように、日常と地続きにありながら、非日常的な存在がひょっこり姿を見せたかと思えばたちまち消えていく怪異ものの書き手というイメージがありますが、その本質に迫っている「たそがれの味」という短い随筆があります。
例えば、人間の生きざまにしても、それが悪から善に入る刹那であったりその逆であったりするような、白黒つけられない「一種微妙な世界」に入っていったところに、なにか得体の知れない美しいものが在るのではないか。そんな風に鏡花は考えていたのではないでしょうか。
あなたもまた、そういう普段は人に言えないような勘所について思いがけず誰かどこかに語っていくことになるかも知れません。
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豊かな沈黙の味わい
今週のみずがめ座は、慎ましく温かなリアルを邪魔しない関わり方を模索していくような星回り。
『妻がゐて夜長を言へりさう思ふ』(森澄雄)という句のごとし。掲句には行間にたっぷりとふくまれた豊かな沈黙の味わいがあり、心地よい空間の広がりが感じられるはず。
それはやはり夜長という従来的な俳句的情趣やそれを用いる意図が、ふたりで過ごすことの感動を邪魔しない程度に寄り添う形で、むしろ感動があとに残るように工夫されて表現されているからなのでしょう。
あなたもまた、そんな感動を邪魔しない程度の意図や目的の添わせ方を心がけていきたいところです。
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回復に向けてのステップ
今週のうお座は、資本主義社会で「普通である」ということをある種の‟病い”として捉えていこうとするような星回り。
資本主義か社会主義か、という二者択一を考える人はもはやごく一部の少数派で、イギリスの批評家マーク・フィッシャーが指摘していたように、今や資本主義こそが唯一の存続可能な政治・経済的制度であるばかりか、その代替物を想像することすら不可能だという意識が社会に蔓延しているように思います。
そして、経済成長をやめなければ人類の存続が危うくなることがはっきりしているのに、果てしない経済成長を求める資本主義から脱却できないのは、それが「宗教のかたちをした神経症」だからであり、「資本主義は貧困とか搾取ということよりも精神病理で人間を不幸にする」し、逆に言えば「精神病のない資本主義はありえない」のだというたいへん重要な指摘もしています。
あなたもまた、どうしたら「宗教のかたちをした神経症」を克服していけるかということが大きなテーマとなっていくでしょう。
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