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トレンドマイクロがディープフェイク映像を警告するアプリのβ版を公開/Bluetooth 6.0リリース 新機能も追加

2024年09月08日 06:11  ITmedia PC USER

ITmedia PC USER

トレンドマイクロがビデオ通話におけるディープフェイク検出ツールを公開した

 うっかり見逃していたけれど、ちょっと気になる――そんなニュースを週末に“一気読み”する連載。今回は、9月1日週を中心に公開された主なニュースを一気にチェックしましょう!


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●トレンドマイクロがディープフェイク映像を警告するアプリのβ版を公開


 トレンドマイクロは9月2日、Windows PC向けディープフェイク検出ツール「トレンドマイクロ ディープフェイクスキャン」(β版)を公開した。最大20回まで無償で利用できる。


 AI技術の進歩に伴い、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺などでディープフェイク(偽の合成映像)を使ったビデオ通話が増えているという。トレンドマイクロ ディープフェイクスキャンは、こうしたビデオ通話におけるディープフェイクを検出するものだ。


 Microsoft Teams、Zoom、LINEなど、さまざまなPC向けビデオ通話アプリケーションに対応しており、ビデオ通話中にツールを起動させると、リアルタイムで映像のスキャンを行う。ディープフェイクによるフェイススワップ(顔の偽装)の可能性がある場合は、利用者に警告メッセージを表示して注意を促す。正式提供は未定だ。


●Bluetooth 6.0リリース 新機能も追加


 Bluetooth Special Interest Group(SIG)は9月3日(米国時間)、Bluetoothコア仕様の新版となる「バージョン6.0」をリリースした。


 Bluetoothはバージョンが上がるごとに安定性や機能改善が行われている。Bluetooth 6.0の新機能や既存機能の強化は以下の通りだ。


・Bluetooth Channel Sounding:Bluetoothデバイス間の距離を正確に測定できるようになり、紛失時にその場所を探すFind Myソリューションの改善や、指定された範囲内にいるユーザーのみがドアのロックを解除したりできるようになる


・Decision-Based Advertising Filtering:Bluetooth LEの拡張アドバタイジング機能により、スキャンデバイスはプライマリーのアドバタイジングチャネルで受信したパケットの内容を使用して、セカンダリーチャネルで関連パケットをスキャンするかどうかを決定できるようになる。これにより、アプリケーションに関連しないPDU(Protocol Data Unit)が含まれている可能性のあるパケットをセカンダリーチャネルでスキャンする時間が短縮され、スキャンの効率が向上する


・Monitoring Advertisers:オブザーバーデバイスのホストコンポーネントは、Bluetooth LEコントローラーに重複するアドバタイザーパケットをフィルターするように指示できる。これにより、ホストの効率は向上するが、オブザーバーデバイスが接続を試みるべき状態になったとき、まだデバイスが範囲内にあるかどうかをホストが知ることができない欠点がある。新しいアドバタイザー監視機能では、ホストコントローラーインタフェース(HCI)イベントを使用し、対象デバイスが範囲内に入ったり範囲外になったりするたびにホストに通知する


・ISOAL Enhancement:Isochronous Adaptation Layer(ISOAL)は大きなデータフレームをより小さなリンクレイヤーパケットで送信でき、受信側でデータを正しく処理するために必要な関連タイミング情報を再構成できるようする。ただし、フレーム化されたPDUを生成する場合、遅延が増加する問題がある。Bluetooth 6.0では、この遅延を削減する新しいフレーミングモードを定義することで、ISOALを改善し、信頼性も向上する


・LL Extended Feature Set:デバイスはそれぞれがサポートするリンク層機能に関する情報を交換できるようになり、Bluetooth LEの高度化と多用途化に伴い必要となった。また、より多くの機能をサポートするように強化された


・Frame Space Update:これまでのバージョンでは、接続イベントやせず臆されたアイソクロナスストリーム(CIS)で使用されるフレーム間隔は150μsで固定だったが、Bluetooth 6.0ではネゴシエート可能になった


●「Intel Foundry」に暗雲? 海外報道で明らかに


 英Reutersは9月4日(現地時間)、Intelの半導体製造受託事業「Intel Foundry」で製造されたシリコンウエハーが、Broadcomのテストをクリアできなかったと報じた。


 Intel Foundryは、2024年2月に立ち上げられたファウンドリー事業のこと。Reuters内部の情報筋によると、BroadcomはシリコンウエハーをIntelの最新製造プロセスである「Intel 18A」で製造しており、それをBroadcom社内でテストしたところ、大量生産に移行するにはまだ現実的ではないという結論に達したとのことだ。


 Reutersに対してIntelは、「Intel 18Aは電源が投入され、健全で歩留まりも良好。2025年の量産開始に向けて順調に進んでいる」とコメント。Braodcomは「Intel Foundryの製品とサービス提供を評価中であり、その評価はまだ完了していない」と述べている。


●DirectMLがSnapdragon X Eliteをサポート


 米Microsoftは8月29日(現地時間)、機械学習用APIのDirectMLがSnapdragon X Eliteを搭載したCopilot+ PCをサポートすると発表した。


 Windows Copilot Runtimeの基盤コンポーネントであるDirectMLを使用することで、開発者はWindows全体でAIを拡張できるとしている。


 DirectMLとWebNN Developer Previewを利用することで、NPUのリソースも活用できるようになる。WebNNは、ブラウザで機械学習モデルを実行する新しいWeb標準仕様のこと。DirectMLなどのハードウェアアクセラレーションAPIとのインタフェース方法を定義し、WebサイトがユーザーPCのGPUまたはNPUを活用してAIをローカルで実行できるようにする。


 DirectML対応デバイスでWebNNを使用するには、以下の環境が必要になる。


・Windows 11(24H2以降)


・Edge(Insiderバージョン)


・Intel Core Ultra NPU Driver for Windows


・Qualcomm Hexagon NPU Driver Package for Windows


●「Microsoft Teams」の2024年8月アップデートまとめが公開


 米Microsoftは8月30日(現地時間)、Microsoft Teamsの8月度アップデート内容のまとめを公開した。


 主な新機能は下記の通り。


・Copilotが時間ベースのフレーズでチャット履歴を検索可能に:チャットでCopilotを有効にすると、「昨日」「先月」「6カ月前」など時間ベースのフレーズを使用して、検索が可能になった


・チャンネルリンク経由で、共有チャンネルへの参加をリクエスト:同じテナントを共有するユーザーは、チャンネルの共有リンクを使用し、共有チャンネルへの参加をリクエストできるようになった


・チャンネルカードの追加:チャンネルカードを使用し、チャンネルの概要を簡単に把握できるようになった。ヘッダのチャンネル名、またはチャンネルが記載されている場所にマウスカーソルを合わせると、チャンネルの説明、最終アクティビティー時間、チーム名、メンバーシップ情報などの重要な情報が表示される


・外部ユーザーとのグループチャットでアプリをサポート:組織外の個人とのグループチャットでアプリケーションにアクセス可能になり、コラボレーションと生産性が向上。チャットをホストしているテナントのグループチャット参加者は、全てのメンバーが使用できるアプリケーションをインストール、または更新できる


・Discoverフィードを表示/非表示:パーソナライズされた関連性ベースのフィードを提供するDiscoverフィードを非表示にできるようになる。「設定」>「一般」からトグルで表示/非表示を切り替えられる


 この他、タウン ホール(一対多数の講演機能)に参加予定ではなかったAndroidユーザーが会議の録画を参照したり、会議の要約を行えたりするようになった。また、タウン ホール参加中にリアルタイムで「いいね」や「拍手」などのリアクションを送れるようになるなどのアップデートも行われている。


●AcerがRyzen搭載7型ポータブルゲーミングPCを発表


 台湾Acerは9月4日(ドイツ時間)、ドイツで開催されるIFA 2024にあわせ、同社初の7型ポータブルゲーミングPC「Nitro Blaze 7(GN771)」を発表した。


 7型(1920×1080ピクセル)IPSディスプレイの左右にコントローラーが配置された、近年増えているポータブルゲーミングPCと同様のスタイルを採用している。


 他社製品ではCPUにモバイル向けの低消費電力な「Ryzen 1 Extream」や「Ryzen 7 8840U」を採用することが多いが、Nitro Blaze 7はよりハイパフォーマンスな「Ryzen 7 8840HS」を搭載しているのが特徴だ。


 メモリは16GB(LPDDR5x)、ストレージは最大2TB(M.2 NVMe SSD)で、インタフェースはUSB4×2基とmicroSDメモリカードスロットを備える。ワイヤレス機能はWi-Fi 6Eの無線LANとBluetooth 5.3に対応する。本体サイズは約25.6(幅)×11.35(奥行き)×2.25(高さ)cm、重さは約670g。