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吉沢亮、主演作で手話に触れ実感「気持ちは伝えなきゃ伝わらない」

2024年09月05日 22:41  クランクイン!

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吉沢亮、映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』完成披露上映会に登場  クランクイン!
 俳優の吉沢亮が5日、都内で開催された映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』完成披露舞台あいさつに、忍足亜希子、呉美保監督と共に出席。本作を通じて感じた思いを語った。

【写真】母親役の忍足亜希子、呉美保監督と笑顔を見せる吉沢亮

 原作は、コーダ(Children of Deaf Adults/聞こえない、または聞こえにくい親を持つ聴者の子供)という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティーに焦点を当てた執筆活動をする作家・エッセイストの五十嵐大による自伝的エッセー『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』。呉監督にとって9年ぶりの長編作品となる本作で、耳のきこえない両親のもとで愛されて育った五十嵐大を吉沢、その母・明子をろう者俳優の忍足が演じる。

 出演の決め手を聞かれた吉沢は「呉さんの作品は今まで見させていただいていて、すごく大好きな世界観で、いつかはご一緒できたらうれしいなとずっと思っていた監督だった」と 呉監督が本作を手掛けることを理由の一つに挙げつつ、「コーダという環境ではあると思うんですけど、描かれている普遍的なテーマというか、家族の関係性というか親子の愛情みたいなものの変化の仕方もすごく共感できる部分が多かったですし、純粋に素晴らしいお話だなと思った」と回答。

 一方、吉沢をキャスティングした決め手を聞かれた呉監督は「美しい人なんですけれど、その中にある美しくない何かを私はすごく自分のこの目で見たくて、今回、この企画をいただいた時に、まさにフィットする、と。彼とこの企画はすごく相性がいいんじゃないかと思った」と語った。

 また、コーダという役柄で意識した点を問われた吉沢は「もちろんコーダとして生まれて、という部分はありつつも、たぶんどの家庭のどの思春期の男の子にも似たような悩みはある。自分が失敗したことを全部親のせいにしたくなったり」と劇中の展開に触れ、「たまたまコーダという環境で生まれたから『自分はコーダだからこんなに辛い思いをしている』と思い込んでいる。本人にとってはものすごく重大な出来事だけど、周りから見たら『あるよねそういうの、分かる』みたいな距離感をすごく意識していました」と答えた。

 さらに吉沢は「日常を生きていて、ただただ言葉を吐き捨てる瞬間だったりとか、あえて人に壁を作って、自分の思いを伝えるという作業をやらない手段を取ってしまうことがよくあるなと思う」とした上で、「今回の手話と出会って、やっぱり気持ちは伝えなきゃ伝わらないし、手話という、自分の『今、怒っているよ』『今、悲しい思いをしている』というすべてを伝えてくれる言語というのは本当に愛に溢れていて、素晴らしい世界だなと思った」と劇中でも使用する手話についてコメント。「この作品を見て、『伝えるって大事だな』と感じていただけることがあれば、僕はすごく幸せ」とまとめていた。

 映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は、9月20日より全国順次公開、宮城県では9月13日より先行上映。