自主制作映画『侍タイムスリッパー』が、9月13日より50館以上の映画館にて順次全国拡大公開されることが決定した。
【動画】安田淳一監督「『カメラを止めるな!』を目指して作った」 映画『侍タイムスリッパー』本予告
本作は、武士が落雷によって現代の時代劇撮影所にタイムスリップし、「斬られ役」として生きていく姿を描いたコメディー作品。米農家でもあり、本作を手掛けた安田淳一監督は「『カメラを止めるな!』を目指して作った」と語っており、自主制作映画でありながらも、時代劇の本場・東映京都撮影所の協力を得て撮影された時代劇となっている。
時は幕末、京の夜。会津藩士・高坂新左衛門は、密命のターゲットである長州藩士と刃を交えた刹那、落雷により気を失う。眼を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所。行く先々で騒ぎを起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだと知りがく然となる新左衛門。一度は死を覚悟したものの、やがて「我が身を立てられるのはこれのみ」と、磨き上げた剣の腕だけを頼りに撮影所の門を叩く。「斬られ役」として生きていくために…。
8月17日にインディーズ映画の聖地である池袋シネマ・ロサ(東京)のみで封切られ、初日からSNSで絶賛クチコミの嵐となっている本作。連日にぎわい、満席になる回も目立つなか、8月30日からは川崎チネチッタ(神奈川)でも上映がスタートした。
不特定多数の人々が映画館の暗闇のなかで笑い声をあげながら時間を共有し、エンドロールでは作品へのリスペクトと感謝を込めた拍手に包まれる一体感。本来あってほしい映画の姿が本作にはあり、老若男女を問わずに支持されている大きな理由のひとつとなっている。
また、池袋シネマ・ロサでは、監督とキャストによる舞台あいさつやお見送りをひんぱんに行い、観客とのコミュニケーションを大事にしていることも魅力の“チーム侍タイ”。劇中での愛すべきキャラクターも相まって、誰もが応援したくなるキャストたちに対して、「7回観ました」「4回目です」と話しかける“侍タイサポーター”もどんどん増えている。
そして今回、東京・新宿ピカデリー、TOHOシネマズ 日比谷などの松竹系・東宝系をはじめ、50館以上の映画館にて、9月13日より順次、全国拡大公開されることが決定。さらには「ギャガ」が配給に加わり、今後も続々と上映館が決定する予定だ。
拡大公開決定に際し安田淳一監督は、「10年前に初めて『拳銃と目玉焼』という映画を作った時、日本全国の劇場にDVDを送ったり、持ち込んで上映のお願いをしましたが、ほとんど相手にしてもらえず、大阪のとあるミニシアターが上映を決めてくれました。初日こそ30席が満席になったものの、翌週には観客が1名という日もありました。それを思うと、『侍タイムスリッパー』は毎日多くのお客さまが劇場に来てくださり、大手のシネコン様から直接オファーを頂けたことが夢のようです。僕だけではなく、出演頂いている俳優さんや助けてくれたスタッフ、そして自主映画で頑張っている皆のためにも、なんとか結果を残したいと思います」とコメントを寄せた。
映画『侍タイムスリッパー』は、池袋シネマ・ロサ(東京)、川崎チネチッタ(神奈川)にて公開中。9月13日より順次全国拡大公開。