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【RIZIN】平本蓮“ドーピング否定会見”ポイント振り返り(2)赤沢幸典への信頼と疑問、そして今後の流れ

2024年09月04日 18:35  ORICON NEWS

ORICON NEWS

会見を行った平本蓮 (C)ORICON NewS inc.
 あす5日の午後6時からRIZINが会見を開催し、榊原信行CEOと3人のドクターが登壇する。榊原CEOが先週末に自身のSNSで「ドーピングの検査結果を踏まえて、来週後半までには記者会見を必ず実施します」と告知したように、話題となっている平本蓮のドーピング検査の結果が発表されるとみられる。

【写真】「真実ハイチュウもうひとつ」笑顔も見せた平本蓮

 これに先駆け、今月2日には平本が自ら会見を開催して“ドーピング疑惑”を明確に否定。1時間以上にわたって自身の考えを語った平本だったが、RIZINの会見では行われている「ライブ配信」や動画メディアによる「ムービー取材」が行われなかったため、動画を見慣れている人にとってテキスト記事だけでは“消化不良”と感じている声もあがっている。

 平本が何を語ったのかは、会見を取材した多数のメディアが報じている記事を見ていくと内容は伝わってくる。本記事では改めて、あの会見で平本の語った言葉だけではなく、表情や口調、さらに会場の雰囲気や報道陣の空気など、これまで記事になっていない部分をできるだけ伝えていく。Part2では、騒動の発端となった音声動画の主であり告発文を投稿した赤沢幸典に対する平本の本音、そしてファイター平本蓮とRIZINの今後について考察する。
【※ORICON NEWSはドーピング使用については断固否定のスタンスです。本記事はこれまでの騒動と平本選手の会見を踏まえた、事実に基づいた分析となります】

●赤沢幸典への変わらぬ信頼と現状への心配、その一方で“告発文”に抱いた違和感

 平本にとって“虚偽告発”をしている赤沢に対して、平本は今後どのように動くのか。会見では赤沢に対して「信頼していたし、今でもウソであってほしい。特別な事情で赤沢さんが(虚偽告発を)やらざるをえなかったと思いたい」「困っていることがあるならば、助けられるなら助けたい」と自分を陥れようとしたことへの怒りよりも、今なお信頼していることを語った平本。

 赤沢はこれまで2試合で平本のセコンドにつき、どちらも勝利している。今回の朝倉未来戦でも、赤沢から「セコンドにつきたい」と申し出があったが、平本は「今回の作戦には赤沢さんはなかった」と明かし、「自分はどうしても勝ちたかったので勝負に徹した。試合は思い出作りじゃないので。練習で関わらなかったので、距離を感じさせたと思っています」と告発に至った赤沢の行動理由を分析した。

 会見に出席したある有名週刊誌の記者から「赤沢がお金に困っていたという話を聞いた」という発言もあったが、平本は「いろんなウワサが飛び交っているが、お金のことはデリケートなので自分から詮索したくない。なにか特別な事情がほかにあるんじゃないかと思うのですが、今の自分にはわからない」と答えた。

 このように平本は赤沢を信頼して心配しているからこそ、「赤沢さんが自分から始めたのではないのでは。何人か大人が後ろについているのではと僕は感じたので、一人で対処できる問題ではないと、弁護士さんに相談させてもらった」と弁護士が同席した理由も説明。そのうえで、赤沢への疑問も呈した。

 「あの文で赤沢さんが『朝倉未来選手に申し訳ない気持ち』と言っているんですけど、(赤沢自身がドーピング後の)対戦相手に対しての申し訳ない気持ちは書いてなかったので、『本当にこれ赤沢さんが書いたのかな?』と。全部が朝倉未来サイドというか、朝倉未来に寄り添いすぎている文章ではないかっていうのが、正直な気持ちです」

 また、赤沢は告発文の中で、音声動画の公開後に「平本が相談したまわりの怖い人たちから相当な圧力をかけられました」「この告発をすることで、平本の周辺の方達から、この先さらにひどい暴行や脅迫を受けるのではないかと怖くてしかたありません」と訴えていたが、平本は「全くそんなことするわけないので、あり得ない。どんな圧力をかけたのか説明してください。一切そのような事実はありません」と強い口調で断言した。

 赤沢の告発文には平本の名誉を毀損する内容が書かれているが、同席した弁護士は「特別な事情があれば法的な手段に訴える可能性もあると思います」と赤沢を告訴する可能性を否定しない。しかし「弁護士としてこうすべきということと、平本選手が長年慕ってきた相手に対してどういうアクションを起こす気持ちになるかは、別問題。今後の調査の結果と、平本選手の気持ちと話し合っていきたい」と現状を伝えた。

●検査結果が明らかになる平本蓮の今後、そしてこの問題の終着点は…?

 会見で平本はドーピングを何度も強く否定したが、完全潔白は現時点ではまだ証明されていない。まずはRIZINの尿検査で「陰性=シロ」という結果が何よりも重要である。そして、それだけでは納得できない人も多くいることを理解している平本は、尿検査より精密といわれる血液検査や毛髪検査についても「RIZINからの指示に従っていこうと思います」と必要であれば受ける意思を示した。

 追加の検査を実施するかどうかは、試合を主催したRIZINの判断になる。そのため、尿検査の結果をもってこの問題が終了となったとしても、平本はこれ以上に責められるべきではない。納得ができない人は、通常ルールにはない特例として追加検査の実施をRIZINに求めるべきだろう。

 尿検査の結果がシロ、そして仮に追加検査が行われたとしてその結果もシロだった場合、それでも納得ができない人はいるとしても、ファイターとしての平本蓮には何も問題がなく次のステップへと進むことができる。朝倉未来戦で左手親指を骨折し、8月には大きなギプスを装着していたが、会見ではすでに外されていた。回復状況を聞かれると「大学病院で診てもらって、骨はくっついているんですが筋肉が全然固まっている状態で。全治3~4ヶ月と言われているので、もしかしたら年末に試合は厳しいかもしれませんが、ゆっくり怪我を治して必ず復活したい」と言葉に力を込めた。

 また、ファンからの日頃の応援に対する感謝を伝えるため、自身のブランドのポップアップストアを9月に全国で開催することを告知していた。今回の騒動により「いろいろとバタバタしていた」ものの、「10月にファンイベントみたいなものを全国でやろうと思っている」とファンとの交流の場を作ることを目指しており、「そのためにもRIZINの検査結果を待ちたいなと思います」と明かした。

 これからの平本蓮、RIZIN、そして日本格闘技界はどうなっていくのか。その答えの第一歩となる検査結果の発表まで、もう間もなく。シロかクロか、真実はいつもひとつ。