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インテルが「Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)」搭載ノートPCを国内初披露 どんなモデルがある?

2024年09月04日 17:51  ITmedia PC USER

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イベントの基調講演でCore Ultra 200Vを披露する、インテルの大野誠社長

 既報の通り、Intelは9月4日(中央ヨーロッパ夏時間)にモバイル向け新型「Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)」を発表した。搭載PCは、米国時間の9月24日(日本時間の9月25日)から順次発売される予定だ。


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 そんな折、インテル(Intelの日本法人)が9月4日に開催したビジネスユーザー向けイベント「Intel Connection 2024」(2日目)において、日本において発売予定のCore Ultraプロセッサ(シリーズ2)搭載ノートPCが披露された。


●日本ではまず9社から登場


 今回発表されたCore Ultraプロセッサ(シリーズ2)は「Core Ultra 200Vシリーズ」と呼ばれ、メモリチップやWi-Fi(無線LAN)/Bluetoothモジュールなどを統合したSoC(System on a Chip)形態で供給される。モデル名に全て「V」が付いているが、「従来とは異なるフォームファクターで提供されることを示すために付けたもので、特別な意味を込めたものではない」(インテル)。


 インテルによると、近いうちに日本でCore Ultra 200Vシリーズを搭載するノートPCを発売するメーカーは、以下の9社とのことだ。


・日本エイサー


・ASUS JAPAN


・デル・テクノロジーズ


・日本HP


・レノボ・ジャパン


・マウスコンピューター


・エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)


・サードウェーブ


・ユニットコム


●実機展示があったのは7社7機種


 今回のイベントでは、先述の9社のうち7社のCore Ultra 200Vシリーズ搭載ノートPCが展示された。


 基本的には日本で発売される予定の機種で、中には正式発表前の製品もある。ただし、キーボードを中心に正式発表時と仕様が異なる場合があるので注意したい。


THIRDWAVE DX-L7LA(サードウェーブ)


 サードウェーブの「THIRDWAVE DX-L7LA」は、Core Ultra 7 268V(Pコア4基/最大5GHz+Eコア4基/最大3.7GHz)を備える16型ノートPCだ。貼られているステッカーを見る限り、MIL-STD-810H(MIL規格)に準拠した耐久性能を備えているものと思われる。


XPS 13(デル・テクノロジーズ)


 デル・テクノロジーズの「XPS 13」は、個人向けプレミアムブランド「XPS」から発売される13.4型モデルだ。外観上の特徴は、2024年モデルとして登場したCore Ultra(シリーズ1)搭載モデルやSnapdragon X Elite搭載モデルと変わりない。


 展示機は「Core 5 Ultra 226V」(Pコア4基/最大4.5GHz+Eコア4基/最大3.5GHz)を搭載した構成で、IntelのノートPC認証プログラム「Evo Editionプラットフォーム」に準拠している。なお、Core Ultraプロセッサ(シリーズ2)におけるEvo Edition認証ステッカーは、CPUバッジと一体化されており、かなり“控え目”になっている。


MousePro G4-I5U01BK-E(マウスコンピューター)


 マウスコンピューターの「MousePro G4-I5U01BK-E」は、Core 5 Ultra 226Vを搭載する14型軽量ノートPCだ。本製品は既に発表済みで、販売価格などは改めて告知されるという。


LEVEL-16FH130-U7-UHX(ユニットコム)


 ユニットコムの「LEVEL-16FH130-U7-UHX」は、Core Ultra 7 268Vを搭載するiiyama(イイヤマ)ブランドの16型ノートPCだ。外観を見る限り、先に紹介したTHIRDWAVE DX-L7LAと同じハードウェアをベースにしているものと思われる。


Prestige 13 AI+ Evo A2(MSI)


 MSIの「Prestige 13 AI+ Evo A2」は、同社のプレミアムブランド「Prestige(プレステージ)」から発売される13.3型モバイルノートPCだ。


今回展示されていたのは、Core Ultra 7 268Vを搭載する構成で、Evo Editionの認証を取得している。


ASUS Zenbook S 14(UX5406)(ASUS JAPAN)


 ASUS JAPANの「ASUS Zenbook S 14(UX5406)」は、同社のプレミアムノートPCブランド「Zenbook(ゼンブック)」から登場する14型モバイルノートPCだ。


 今回展示されていたのは、Core Ultra 200Vシリーズの最上位モデル「Core Ultra 9 288V」(Pコア4基/最大5.1GHz+Eコア4基/最大3.7GHz)を搭載する構成で、Evo Edition認証を取得していたが、展示機の中で唯一「参考出展」とされた。


Acer Swift 14 AI(SF14-51)


 日本エイサーの「Acer Swift 14 AI(SF14-51)」は、同社の小型/軽量ノートPCブランド「Swift(スイフト)」から登場する14型モバイルノートPCだ。同社はSnapdragon X Plus/Elite搭載の同名モデルをリリース済みだが、モデル名で区別が付くようになっている(Snapdragon構成は「SF14-11」「SF14-11T」となる)。


 今回展示されていたのは「Core Ultra 7 258V」(Pコア4基/最大4.8GHz+Eコア4基/最大3.7GHz)を搭載する構成で、Evo Editionの認証を取得している。


 Copilot+ PC(新しいAI PC)の要件を満たすノートPCという観点で、競合のQualcommやAMDに遅れを取っていたIntelだが、今回リリースしたCore Ultra 200Vシリーズによって“同じ土俵”に上がることができるようになる。ただし、同シリーズやAMDの「Ryzen AI 300シリーズ」のCopilot+ PC化は11月以降となる見通しだ。


 今回披露されたノートPCの中には、Snapdragon X Plus/Eliteを搭載するモデルを“同じ”ボディーを採用するモデルもある。IntelとAMDの違いならさておき、Intel(x86)とQualcomm(Arm)となると、CPUアーキテクチャ自体が異なり、動かないアプリが出てくる可能性も否定できない。


 もしもPCショップや家電量販店で両モデルが一緒に並べて販売されたら、消費者は混乱しないだろうか――そんな不安がよぎった筆者であった。PCメーカーがどのように“売り分けて”いくのか、注目したい。