2024年09月03日 18:31 ITmedia NEWS
VTuberグループ「にじさんじ」を運営するANYCOLORが、フリーランスの音楽家によって所属VTuberの“中の人”が盗撮され、画像が誹謗中傷を含む形で第三者に共有されていたと公表した件で、この音楽家が理事を務めていた「日本歌ってみたMIX師協会」(NUMA)が声明を発表した。疑惑が事実なら除名処分にするという。
ANYCOLORの声明では盗撮などを行ったとされる音楽家の名前は伏せられていたが、その後、音楽家本人とみられるYAB氏(YAB EntertainMentの藪中利樹氏)がX上で「過去のLINE上での問題のある発言や動画の流出」を認め、関係者に謝罪している。NUMAの声明は、これを受けて出したものとみられる。
NUMAは、YAB氏への事実確認は進んでいないとしながらも、社会的影響の大きさを鑑みて同氏の理事解任を決定。またYAB氏の行為が協会規約に反する可能性があることから事実確認が終わるまで協会員資格を停止し、疑惑が事実であった場合は除名するとしている。
なお、今回の事案に他の協会員や理事の関与は確認していないという。NUMAは「引き続き必要な対応を行うとともに、当事者より情報提供を求められた場合は、内容を精査した上でその時点までに保有する情報の提供を行い、問題解決に協力する」としている。
いわゆる“MIX師”とは、主に「歌ってみた」動画などのボーカルミックスやマスタリングを行うエンジニアのこと。NUMAは、MIX師の認知度向上を目指して2022年4月に設立した社団法人で、会員向けのセミナーやクライアント企業との橋渡しを行っているという。なお、協会の活動方針には「歌い手が『歌ってみた』制作に安心して取り組める環境作り」も含まれている。
ANYCOLORは、今回の事案を受けてYAB氏との契約を解除。秘密保持義務違反、プライバシー権侵害、名誉・信用の毀損(きそん)、その他の権利の侵害などで法的措置を検討している。またVTuberを被害者とする暴行罪、迷惑行為防止条例違反などによる刑事事件化も視野に入れている。