2024年09月02日 16:11 ITmedia NEWS
明治大学の宮下芳明研究室は9月2日、「脂質ゼロの油」や「糖類ゼロのクリーム」を作る研究を発表した。同研究室が開発した1那由他(10の60乗、1兆を5回かけた大きさ)通りの味の組み合わせが出力できる調味装置「TTTV3」を発展させ、新たな装置を開発。食感の制御機能を追加することで、油やクリームを再現できるようにしたという。
TTTV3は、甘味や酸味、塩味など複数の味がする液体を混ぜ合わせることで、特定の味を再現する装置。液体を入れる容器は20個あり、それぞれ1000段階の制御ができる。これにより、ワインやカカオ、梅干しなど産地や品種の違いまで再現可能という。
今回開発した脂質ゼロの油を作る装置「Virtual Oil Generator」は、TTTV3に食感の制御機能を追加したもの。これにより、イヌリン(水溶性食物繊維)や低強度寒天の溶液などを注入できるようになり、口に残る食感や粘性、脂質感、滑らかさなどが調整可能に。5種類のブランドのオリーブオイルを再現できるという。
同研究室は、サラダやパスタ、ササミ肉に脂質ゼロの油をかけることで、パサパサ感を軽減し、見た目に光沢感を与えられると説明。「油の摂り過ぎやその健康被害を気にすることなく好きなだけ油を味わえる」という。
また同研究室は、脂質・糖類ゼロのクリームを作る装置「Virtual Cream Generator」も同時に発表。Virtual Oil Generatorと同様に食感を制御し、糖類ではない甘味料で甘味を調整することで、脂質・糖類ゼロのクリームを実現したという。
この研究成果は、9月2日~4日に北海道情報大学で開催される学会「Entertainment Computing 2024」でデモンストレーションが行われる予定。