トップへ

映像は綺麗だけど内容はイマイチだったゲームの思い出 「FF8。求めてたものと違った」などの声

2024年09月01日 06:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

写真

ゲームの面白さの根底にあるのは、システムだと思っている。極端な話、線画だけで描写されたチープな作品であっても、ゲームバランスが練り込まれてさえいれば人は没頭する。そういうふうにできている。だから『ウィザードリィ』は世界中でヒットした。

テーブルトーク型のRPGなんてアナログの極みみたいなものだけど、あれだって想像力をフルに働かせて遊べば、大の大人が数時間も没頭できるようになっている。ゲームの魅力は、映像だけではない。グラフィックがいくら綺麗でも、中身がおもんなかったら、それは傑作ではない。そんなことを今日はね! 書いていこうと思う。(文:松本ミゾレ)

「FF10。ストーリーとムービーは良かった」でも……

先日、ガールズちゃんねるに「画面は綺麗だけど内容はイマイチだったゲーム」というトピックが立っていた。トピ主曰く、その根拠は以下の通り。

「CG、ムービー、背景などが超絶キレイなゲームは増えましたよね。でもゲームはやっぱり映画と違って自分が遊べてナンボ、プレイが楽しくてナンボだと思います。ガワはキレイだったけど中身がイマイチだったゲームを挙げていきましょう。また、中身のどんな所がつまらなかったのか、どんな風に良くなかったのかも教えてくれると嬉しいです」

この方もまた、今ではグラフィックは綺麗なタイトルばっかり増えてきたけど、楽しくてナンボと感じていて、映像だけでは没入できないと考えている立場のようだ。で、この呼びかけには色んな書き込みが見受けられる。そちらもついでにピックアップしてご紹介。

「FF10。ストーリーとムービーは良かった。でもゲームとしては本当につまらんかった。育成もバトルもよくこれで行こうと思ったなというレベル」
「サガフロ2。絵本みたいで綺麗なドットでストーリーもよくできてそうだけどシステムが合わなかった」
「FF8。FF7が本当に大好きだったのでその感動もう一度って思って買って、確かに画面は綺麗だったけどなんか求めてたのと違うな…と思いながら進めてた。途中で長いムービーのあとに宇宙船に降りるみたいなところがあってそこの敵が強くて2回ゲームオーバーしてもうムービーから始めるの嫌だわと思ってやめた」
「テイルズ。回を重ねるごとに画面は綺麗になるがシステム面が…」
「龍が如く8。前評判がめちゃくちゃ高くて期待してたけど、ストーリーは微妙でイマイチだった…。グラフィックは本当に綺麗だったんだけど」

僕の大好きな『サガフロンティア2』と『龍が如く8』が挙がってるのがショック……なんだけど、まあ気持ちは分からないでもない。

サガフロ2の場合はキャラクター固有のロールがまともに機能してないし、登場したと思ったキャラが次のシナリオでは死んでたりするし。

あれはゲームでサンダイルを舞台にした大河ドラマをやってみましたって意欲作だから、そこに面白みを感じられない人がいるのも無理はないかな。ギュス編は最後の最後で地獄のマスコンバット「サウスマウンドトップの戦い」が待ってるし、ウィル編はウィル編でラスボスのエッグのスタークエイク対策してないと詰むし。

龍が如く8に関してはシンプルに僕は結構楽しんだクチなんで不満はないんだけど、敵が多数いる割には全体攻撃技が少ないので、じれったく感じる人もいるのは分かる。

映像だけがゲームじゃないのに、一時期のスクウェアがその辺完全に曲解してたよね

それこそ前項で挙げた声には、旧スクウェアのPS以降のタイトルに不満をおぼえた人の声が。他にも『クロノ・クロス』がつまんないと感じたとする声もあった。……僕は面白いと思ったけどなぁ。

まあ、これってやっぱりFF7のCGムービーのウケが良くも悪くも影響してたんだろう。未だに覚えてるけど、FF8がリリースされた直後のゲーム雑誌で、その映像美をたたえるようなページとかあったもんね。名前は忘れたけど、音楽家か芸術家か。なんか若いクリエイターが「このゲームさえあれば我々はもう美術館に行かなくても良くなるかもしれない」みたいなことを書いていたし。

そういう記事を読んで、当時中2だった僕はちょっと引いたんだよね。メインユーザーの子供たちの中には、結構な割合でムービーが始まるとスキップ押して飛ばそうとするやつもいるのだ。そもそもお呼びじゃないって層は昔からいた。僕もそういうタイプだった。

ところがFF8はことあるごとにドラマの盛り上がるタイミングになるとムービーが挿入されていちいちそのためにロードが入って没入感をここぞって場所で阻害してくる。同じことはFF9でも言えたんだけど、綺麗な映像って多分、作り手が思うほどにはそんなに良くはないんだよね。

でもこれがまた、当時はSNSもないので、CGを賛美する声の方ばかりが目立ってネガティブな意見はほとんど聞こえなかったんだろう。あげくにはFFの映画まで作っちゃったもんね。この映画『ファイナルファンタジー』は2001年に公開され、主題歌にはラルクを起用するなど、かなり気合の入ったプロモーションを展開していた。

でも興行面で大失敗。スクウェアはこの作品でいきなり躓き、映画事業から早々に撤退することとなる。CGムービーの美麗さを賛美する人は当時多かったけど、別に彼らはそれだけで映画を作ってほしいだなんて言ってなかったんだよね。

話がちょっと逸れちゃったけど、とにかく映像美なんてものよりも大事なのがゲームとしての魅力。だってゲームなんだもん。肝心のシステムが面白くなくてどうするんですかって話だ。

やっぱり映像が美しいだけのゲームより、映像が荒くても内容が面白いゲームの方が断然正しいよね、ゲームとして。