どうも、田舎出身、現在も別の田舎に住んでるライターの松本ミゾレだ。田舎には昔ながらの風習や言い伝えが残っているところもある。中には怖いものも……。
ということで、今日は田舎にまつわる怖い体験談についてのお話しをしていきたい。ぜひご覧いただきたい。(文:松本ミゾレ)
何代も前のご先祖がやらかしただけでずっと言われ続ける?
田舎には怖いことが多い。大人の掌ぐらいまで成育したアシダカグモは僕がこの世でもっとも恐れている存在だ。九州で育った僕にとって生き物たちは身近な友人のような存在だったが、アレだけは別。タランチュラとかは平気な僕が、九州産のアシダカグモだけは本当に生理的に無理である。
最初に、その恐怖の源泉となったエピソードを。エピソードと言っても、まずとんでもなくデカい蜘蛛が自宅の天井や壁に貼り付いているのがそもそもおかしいし、しかも高速で移動するのが勘弁ならなかった。
中学時代、夏場の寝苦しい夜に自分のふとももを誰が触れている……と思って枕元の電灯をつけたら、ドデカいアシダカグモが這い回っていたあの光景。二度と忘れられない。高校時代、友達数人と夏場にどっかの神社にたむろしてたときにも、灯りの周りに沢山の巨大アシダカグモがいるのを目にして、本当に気絶したこともある。田舎は怖すぎる。
だがこんなもんじゃない。田舎には大蜘蛛よりももっともっと恐ろしい体験談がゴロゴロと転がっているのだから。
先日、ガールズちゃんねるに「田舎の集落に関する不思議な話・怖い体験など」というトピックが立っていた。まずはそこに寄せられていた、ヒトコワ事例を紹介した。
「本当に田舎なところ出身なんですけど、近くに首がないお地蔵さんが複数いてそこで食べ物をあげると嫌いな人を◯してくれるっていう迷信があって、そこで食べ物をあげる人を村の人が見張ってて食べ物あげた人を村八分にするっていう噂は聞いたことがあります…」
「怪談的なものではないけど、東京に隣接する県の田舎町。ご近所の親戚で、もう何代も前にやらかした失態を表す屋号のような通り名で今も呼ばれてる家がある。ちょっとした過失なんだけどご先祖がやらかすだけでずっと呼ばれ続けてて恐ろしいなと思う」
閉鎖的で疑心暗鬼、若干ステレオタイプ的な田舎観ではあるが、僕もそういう地域にうっかり引っ越して凄く嫌な目を見たものだ。近隣で発生するごみの不始末とか野生動物への餌付けとか、全部よそ者のせいになるのだ。が、結局そこで大きな声で反論すれば割と住みやすくなる。ご参考までに。
「海から離れた山なのに人魚伝説があった」
もちろん、同トピックには純粋に心霊チックなものが出てきてしまう恐怖体験、うっすら不気味な独白なんかも書き込まれていた。田舎で体験した心霊絡みの怖い体験がいくつも寄せられていたので、いくつか引用させていただきたい。
「作付けしてはいけない作物がとうもろこしで、もし作付けするならば神主さんに拝んでもらってからと言われてる。それとダルマは家に置いてはいけないとか。江戸時代よりずっと前からある集落の慣わしで何でそれらが禁止されてるのかは親に聞いてもわからなかった。いちおうダルマは家に置いてない、だるま弁当の空容器は取っておいてある」
「故郷、海から離れた山なのに人魚伝説があった。人里に現れて悪さをする緑の髪の大人魚が、格闘の末生け捕りにされたとかなんとか」
「私の家は憑き物筋と呼ばれています。実家の仏壇には箱に入った生き物の骨が祀られていて大きさも箱によって違います」
こんな感じで肝が冷えるような話を見ることができた。気になってしまうのは、やっぱり大人魚だ。「おおにんぎょ」ってことなんだろう。大きな人魚。それってカッパではないか? と感じられる節もある。
余談だがウルトラシリーズには緑色の長髪をし、海に潜伏するパラダイ星人という宇宙人が出る。そうか、パラダイ星人は実在したのか。だとしたら大変だ。奴らは成長した個体が2体おり、危機を感じると合体して怪獣キングパラダイになってしまうのだから。
それに憑き物筋の人の書き込みもあって驚いた。地域はどの辺だろう。ついこないだ映画の『狗神』を観たばかりなので、勝手にタイムリーで怖くなってしまった。
このように、田舎には怖い話が色んなジャンルに分かれて存在している。都会とは、やっぱり別なんだよね、あの空間って。
でもまあ、一番怖いのはやっぱり、九州のアシダカグモですよ。あんなに巨大で不気味な生物がうようよしているなんて……。