トップへ

240V対応なのに「日本専用」 海外で故障したUSB充電器を巡り、エレコムが表記の意図を説明する事態に

2024年08月28日 19:31  ITmedia NEWS

ITmedia NEWS

写真

 エレコムが販売するUSB充電器を巡り、とある仕様がX(旧Twitter)で話題となっている。新品の同社製USB充電器を海外に持ち込んだところ、規定電圧内にもかかわらずいきなりショートしたという投稿をしたXユーザーに対し、エレコムの公式Xアカウントが「日本国内専用となっており、海外では使用不可の製品となっております」とリプライしたことに端を発する。


【クリックで表示】物議を醸したエレコム公式アカウントの投稿


 充電器は、USB-PDに対応した20Wタイプのもので、USB Type-CとUSB-Aの2ポートを内蔵した「EC-AC22WH」というモデル。定格入力電圧は100-240V 50/60Hzとあり、日本より電圧が高い海外使用も想定されていると読み取ることができる。しかし公式サイトの使用可能地域には日本とあり、エレコムの公式アカウントがリプライしたように国内専用モデルであることが分かる。なお、パッケージやWebサイトにしか記載されておらず、本体にそれを示す表記は見当たらなかった。


 この「240Vに対応していながら日本国内専用」という仕様に対して、「100~240V 50/60Hzって書いてあったら海外で使えると思ってしまう」「240Vまで対応していて海外で使えないなら、本体にでかでかと『国内専用』と書いておいて欲しい」などの声が上がっていた。中には、240Vを流せる専用電源とつなげて国内でエレコム製品をテストするユーザーも現れる事態に。


 一方で、海外の電源事情が要因ではとする指摘も見られた。該当ユーザーは上海で使用したと投稿しており、計測器や産業用電源を手掛ける菊水電子工業の公式Xアカウントによると、現地の電圧波形を確認できていないので何とも言えないとしつつも、「テスターで電圧がOKでも系統の高次高調波が大きいため内部のXコンデンサに想定以上の電流が流れて壊れる事例が実際にあるようです」と、電源ラインにノイズが乗ることで故障につながる事例もあるとしている。


 エレコムは28日にXを更新し、日本専用とする表記の意図について説明。「対象製品は定格入力電圧AC100-240V 50/60Hzですので『仕様的には』海外でも使用が可能です。しかし、渡航先の電源が安定しておらず急激な電流や電圧の変化などによりトラブルが起きた際に保証ができかねるため皆様の安全を考慮して『日本専用』としています」と投稿した。


 あわせて同社は「ご指摘の通り表記の方法に課題がありますので、社内で改善できるよう進めていきます」と述べており、国内専用であることが伝わるよう表記を改善するとしている。