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“架空の映画祭”Webサイトは4つに、うち1つが「声明」 詐欺目的か

2024年08月27日 07:51  ITmedia NEWS

ITmedia NEWS

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 架空の映画祭を名乗るWebサイトが相次いで見つかった問題で、そのうちの1つ「広島短編映画祭」をかたるWebサイトが26日までに声明を掲載していたことが分かった。ただし犯行声明などではなく、「当映画祭に関する虚偽の報道について、強く非難いたします」と往生際の悪い内容となっている。


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 26日までに確認された架空の映画祭のWebサイトは「名古屋国際映画祭」「大阪国際短編映画祭」「京都河原町国際映画祭」「広島短編映画祭」。実在しない“過去の受賞作”を紹介したり、受賞者によるトークショーの写真などを掲載したりして、もっともらしく作っていた。詐欺目的とみられるが、詳細は分かっていない。


 これらのWebサイトは実在する映画館の名前や住所を記載しており、参加希望者が映画館に問い合わせたことで事態が発覚した。22日に名古屋市内にあるミニシアター「シネマスコーレ」の公式Xアカウントが「『名古屋国際映画祭』という、おそらく架空の映画祭の公式サイトに当館シネマスコーレの写真、さらには連絡先として住所まで無断で掲載されております。しかし一切の関係、連絡はございません」と注意喚起した。


 同日、大阪市西区の映画館「シネ・ヌーヴォ」も「おそらく架空の『大阪国際短編映画祭』に当館で行われたトークショーの写真と住所が無断で使用されておりますが、この映画祭とシネ・ヌーヴォは一切関係がございません」とXで公表した。


 翌23日には、京都市内にある「京都芸術センター」が「『京都河原町国際映画祭』という、架空の映画祭のサイトにおいて、当館芸術センターが9月の会場として掲載されております」とポスト。さらに広島市の映画館「イオンシネマ広島」も「『広島短編映画祭』というおそらく架空の映画祭と思われるものについて、一部で会場が当館という表記があったようですが、このような開催事実は一切ございません」と注意喚起した。


 これらのポストが週末に拡散し、テレビ局なども多く取り上げて話題となった。また、いずれのWebサイトも26日までに閉鎖あるいは内容が閲覧できなくなっているが、広島短編映画祭を名乗るWebサイトは何らかの都合でクローズできなかったのか「声明」を残した。


 これには「当映画祭に関する虚偽の報道について、強く非難いたします。これらの報道は事実に基づかないものであり、私たちの映画祭の信頼性を損なうものです」などと非難。Webサイトのコンテンツが閲覧できなくなっている点については「攻撃を受け、現在復旧作業を進めている」と説明している。


 声明のページのソースを見ると中国語のコメントが確認できた。なお、ここでいう「コメント」は、HTMLの“実行させない部分”のこと。専用のタグを使ってブラウザに表示されない部分を設け、サイト管理や更新を容易にするため注意事項などを記している。