ライブ中盤は小田倉麗奈を中心に大人びた表情と佇(たたず)まいを提示する「Don't cut in line!」から、ユニットブロックに突入。オリジナルバージョンにも参加する遠藤光莉がセンターに立ち自身の成長ぶりをアピールする「ジャマイカビール」、一期生の小池や上村莉菜、齋藤冬優花に三期生の石森、小島を加えた5人で原曲に新たな魅力を注ぎ込む「風の音」と、『BACKS LIVE!!』ならではの特別感が強い編成と選曲で、観る者を大いに楽しませた。
ユニットブロックを終えるとブルー基調の衣装に着替えたメンバーが姿を現し、キレのあるダンストラックへ。クラマックスでは石森がステージ床から飛び上がって登場し、ダイナミックなダンスを披露する。その流れから「泣かせて Hold me tight!」へと突入すると、センターの武元を筆頭にキレのあるパフォーマンスを展開。照明が落とされた曲中盤には通常よりも長めの間奏が用意され、赤いスクリーンの前に激しく踊るメンバーのシルエットが浮かび上がる演出で観客を惹きつける。さらに大沼晶保がセンターに立つ「隙間風よ」では、大沼らしい躍動感を活かしたダンスで会場のBuddiesを圧倒させた。
和やかなMCを終えると、ライブもいよいよ後半戦。イントロの時点で会場のボルテージが急加速した三期生楽曲「夏の近道」では、一期生の上村がセンターを務めたことで客席を大いに沸かせ、ステージに向けて怒号のような声援が送られた。また、増本綺良センターの「コンビナート」では彼女のキャラクターが反映されたソロダンスをフィーチャーし、続く「マンホールの蓋の上」では齋藤の荒々しい煽りと激しいダンスで会場内の熱気がさらに高まっていく。そして「油を注せ!」では前回の『BACKS LIVE!!』で座長を務めた武元を中心にした圧巻のステージングで、ライブを最高潮にまで導くことに。ここでは武元の魅力がたっぷり凝縮されたソロダンスも用意されており、『8th Single BACKS LIVE!!』を通じてどれだけ自信を得られたかを実感することができた。
『8th Single BACKS LIVE!!』と同じ会場ながらも、武元を中心にエネルギッシュなステージが展開された前回とも異なり、座長である石森のカラーが強く反映された今回の『9th Single BACKS LIVE!!』。メンバー一人ひとりの自信に満ちたパフォーマンスからも、現在のグループの充実ぶりがしっかりと伝わったのではないだろうか。この勢いのまま、櫻坂46は11月23、24日に控えた『4th YEAR ANNIVERSARY LIVE』へと向けて突き進んでいく。