isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2024年下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
推しと不穏は紙一重
今週のおひつじ座は、記憶の底から人生を照らす‟舞台照明”が不意に点灯していくような星回り。
『稲妻をふみて跣足の女かな』(高浜虚子)という句のごとし。この句は実際の情景を詠んだものというより、妄想や記憶の断片を繋ぎ合わせて詠んだ一種の「つくりごと」と言えます。
しかし稲妻、跣足、女という言葉のどこか不穏な組み合わせは物語性を帯びており、掲句が単なる事実や説明をこえた神話的躍動感を宿していることは感じられるはず。
あなたもまた、幼い頃に体験した人間体験のプロトタイプ(原型)を追体験させられていくことになるかも知れません。
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何に惹かれていくか
今週のおうし座は、これまでとは異なる「音」が鳴っていることに気付いていくような星回り。
「ある朝目が覚めて、ふと耳を澄ませると、何処か遠くから太鼓の音が聞こえてきた。ずっと遠くの場所から、ずっと遠くの時間から、その太鼓の音は響いてきた。とても微かに。そしてその音を聞いているうちに、僕はどうしても長い旅に出たくなったのだ。」(『遠い太鼓』)
そう書いた村上春樹は40歳を前に日本を出て、3年間の異国生活へと踏み切り、その中で大ヒット作となった『ノルウェイの森』を書き上げ、作家として、いやひとりの人間として大きな転換を経ていきました。
あなたもまた、自分が心の底で何に共鳴しはじめているのかが、改めて浮き彫りになっていくはず。
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我と汝
今週のふたご座は、自分の「キモい部分」が隠しきれなくなって表に出てきてしまうような星回り。
『秋風や汝の臍に何植ゑん』(藤田哲史)という句のごとし。
「何植ゑん」となんだか格好のいい言い方はしていますが、言っていること自体は冷静になってみるとちょっとキモい。その意味では、そういう「キモい自分」をこっそり切り出している句なのだとも言えるのではないでしょうか。
あなたもまた、普段自分でも気付いていなかったり、さっと隠してなかったことにしているだろう「自分のキモさ」を、そっと誰かどこかに打ち明けてみるべし。
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川と戦慄と私
今週のかに座は、どうしても無視できないものや相手、場にひき寄せられて、そこに飲み込まれていくような星回り。
永井龍男が朝日新聞に連載した小説『風ふたたび』は、華々しい人物はひとりも登場せず、ただ市井に生きるけなげな人びとの人間模様を描いた作品ですが、そのヒロインである久松香菜江について、登場人物の川並陽子が人物像を披露する場面があります。
話の最後で、この川並陽子という人物は自分の隠し通してきた罪の告白をするのですが、もしかしたらヒロインに対し、自分の罪の意識をあぶりだし、増幅してしまうような何かを感じ、あるいは罪悪感そのものを投影し、逃れられない気持ちを強めていったのかも知れません。
あなたもまた、何か言いようもなく惹きつけられるものがあるなら、そこに自分は何を投影しているのか、改めて思い当る節を探ってみるといいでしょう。
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平凡で、かけがえのない或る日
今週のしし座は、眼下に広がる景色の全体像を一望していこうとするような星回り。
『暑き日の続く或日の秋まつり』(岸本尚毅)という句のごとし。
掲句の「或日」とは、ごく平凡な日常としての一日であると同時に、人生の酸いも甘いも知った上でやっと迎えることのできた待望の一日でもあって、作者は「秋まつり」と口にした瞬間、その事実にふと思い至ったのではないでしょうか。
あなたもまた、自身が乗り越えてきた悲喜こもごもの道のりについて俯瞰的に捉えていくことになりそうです。
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密かなる抵抗
今週のおとめ座は、自分の中の慎ましさや恥ずかしさの文化性を保持し続けていこうとするような星回り。
戦後の日米関係を鋭く諷刺してみせた小島信夫の小説『アメリカン・スクール』では、主人公の一人である日本人英語教師の伊佐は、英語教育の改善をめざすアメリカン・スクールの見学会に参加するが、どうしても英語を話せない。
伊佐は見学するうちに、唯一の女性教師で英語にも堪能なミチ子に好感を覚える。そのミチ子は、見学会にあるものを忘れてしまい、それを貸してくれと伊佐に密かに頼むのだが、小説の最後にその借りたものが「箸(はし)」であったことが分かる。
あなたもまた、ある種の権威や上からの圧力に対して、ささやかな「抵抗」のありかを自分のなかに見出していくべし。
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ホーホーホッホー
今週のてんびん座は、思いを雲に託していこうとするような星回り。
『鰯雲人に告ぐべきことならず』(加藤楸邨)という句のごとし。
作者は空高くを覆う一面の鰯雲を仰いでいるうちに、そのスケールの大きさに圧倒されると同時に、みずからの存在が小さく感じられたはず。これもまた、伝統的な自然との深いところでの交感の仕方のひとつと言えます。
あなたもまた、自分を圧倒してくれるものの前にみずからをすすんで立たせていきたいところです。
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近道を避ける
今週のさそり座は、大変なことになる手前の浅い関係のうちに、縁を切っていこうとするような星回り。
「サジを投げる」という言葉の「サジ(匙)」とは、薬を調合する道具のことで、もともとは医療者側がこの病人は何をどう調合しても助かる見込みがないと、見放すことを意味していたのだそうです。
そうすると「サジを投げる」のは、最後まで相手と寄り添おうとしない、ひどい人間のする後ろ向きな行為のようですが、果たしてそうでしょうか。
あなたもまた、中途半端に振り回すくらいなら、いっそ「サジを投げる」方が相手を助けることもあるのだということを、改めて胸に刻んでいきたいところです。
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不安を語る勇気
今週のいて座は、人の力のうねりが生まれていくさまを目撃していくような星回り。
『野分やんで人声生きぬここかしこ』(原石鼎)という句のごとし。
喧噪というのは、人間がひとりいるだけでは決して成立しません。自然の力に対する素直な声や意見が、ひとつふたつ、いや十やら百やら集まっきて、ようやく喧噪というのは生まれてくるのであって、掲句はその過程をじつになまなましく描き出してみせたのだと言えます。
あなたもまた、内にも外にもいつも以上に耳を澄ませていきたいところです。
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必要最低限の警戒心
今週のやぎ座は、個人的なものの範疇を越えた悪が、いかにみずからの日常や内心に忍び込んでいるのかを観察していくような星回り。
悪に対する感覚が鈍っている現代日本人は、悪と言えば、不倫や暴行のような個人的な悪やその延長上にあるものとして裏金や脱税などの一部の人間の悪巧み程度にしか考えられなくなってしまっているのではないでしょうか。
かつて古代ローマの教父アウグスティヌスは、悪とは「完全性の欠如」であると考えましたが、ラッセルがいうように最新のテクノロジーやデジタルと結びついた現代の悪はもはやそんな生やさしいものではなく、リアルに実在する内在的かつ自律的な存在と言えます。
あなたもまた、みずからの内に巣食う無知や無関心がどんな風に「超個人的な悪」に繋がって、実際的な事態をひき起こしているのかと想像してみるといいでしょう。
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四股いきいきと
今週のみずがめ座は、自分に使える力を総動員する準備を整えていこうとするような星回り。
『台風や四股いきいきと雨合羽』(草間時彦)という句のごとし。ここで思い出しておきたいのは、これまでに誕生した生物種のうちじつに99.9%の生物種が絶滅してきたということ、しかもそれは、たまたま居合わせた時代と場所が悪かったために絶滅したという事実です。
古生物学者のデイヴィッド・ラウプはそのことを「理不尽な絶滅」と呼びましたが、逆に言えば、そうした絶滅の危機を生き延びて進化してきた現在みられる生物種というのは、掲句の「台風」のような想定外の理不尽に、むしろ「四股」を「いきいき」させてきたらこそ生き延びてこれたのではないでしょうか。
あなたもまた、ただ惰性のままに生命力を萎えさせていくのでなく、いかに四股をいきいきさせられるかを考えていきたいところです。
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帰ろうか
今週のうお座は、夕食を告げる母親に連れ戻される子ども時代へと立ち返っていくような星回り。
例えば散歩の帰り道、あなたの握っているリードをグイと引いてくれる犬。生きているかぎり、人は目に見えない首輪をはずすことなどできず、つながれた場所へと帰っていく他ありません。
そういう悲しさと滑稽さのない混ぜになった感情というのは、心の奥深くまで洗い落とすかのような清冽な働きをもするものですが、同時にそうした働きにこそあなたの気持ちを再び弾ませ、大切なものに気付かせてくれるヒントが現れてくるでしょう。
今週のうお座もまた、一発逆転的な快楽ではなく、ささやかな楽しみや小さな幸福をこそ求め、そうしたある種の「家路」をそっと照らしてくれるものを大切にしていくべし。
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