2025年1月にグランドオープンを迎える「銀座ソニーパーク(Ginza Sony Park)」が8月15日に竣工し、報道関係者に披露された。地下4階、地上5階建ての低層構造で、銀座の標準的な建物の半分ほどの高さにあえて設計することで集積率の高い銀座の街に「余白」を創出したという。テナントは一切誘致せず、アクティビティやイベントといったさまざまなプログラムを入れ替わりで展開することで、常に変化のある施設として運営する。
銀座ソニービルのリニューアルプロジェクトを推進してきたソニー企業は、2013年頃からソニービルを生まれ変わらせるための検討を開始し、2017年3月に建て替えのためソニービルを閉館。「建て替えプロセスもソニーらしくユニークに行いたい」という考えから、建物の解体途中を公園にするという全く新しい発想で、2018年に旧「銀座ソニーパーク」を開園した。
旧ソニーパークは当初2020年までの開園を予定し、新生銀座ソニーパークの2022年秋の完成を目指していたが、当初の想定よりも時間を要することが顕在化したため、開園期間が2021年9月まで延長。新生銀座ソニーパークの完成時期も2025年にずらした。
芦原義信が手掛けたソニービル時代の建築から何が変わったか 新生銀座ソニーパークでは、ソニービル時代から50年間続く「銀座の庭」の思想を継承。当時と同様に「都市そのものに余白を」という考えから、低層にすることで余白を作ったという。
外観は銀座ソニービル時代から打って変わって、ステンレスのグリッド状のフレームが覆う打ち放しコンクリート建築が特徴。普通ベニヤ型枠を採用したコンクリート打設により、大らかでプリミティブな表情を演出したという。「街と公園とつなぐ柵」のようなイメージで作り上げたグリッド状のフレームは、ファサードの役割に加えて、アートとのコラボレーションに活用できるほか、将来的に拡張できるような構造に仕上げた。地上2階部分を中心に自然光や自然風をもたらすことができるのも今回の設計ならではとしている。設計はGinza Sony Park Projectが手掛けた。