押切蓮介原作による実写映画「サユリ」の公開記念初日舞台挨拶が、本日8月23日に東京・バルト9にて開催された。イベントには神木則雄役の南出凌嘉、ばあちゃんこと春枝役の根岸季衣、住田役の近藤華、押切、白石晃士監督が登壇し、映画に関するトークやSNSで事前募集した質問への回答などを行った。
【画像】会場にいる弟に、押切蓮介描き下ろしの色紙を当てたいと念を込めて抽選する南出凌嘉公開初日を迎え、押切は「自分のマンガが映画化されるのはやっぱり感無量ですね」とうれしそうな様子を見せ、朝からエゴサーチをしまくり疲れていることを告白。ホラー映画初主演となった南出もエゴサーチをしていると明かし、「朝から『見たよ』とか、『面白かった』という声が見られて、幸せな気分でいっぱいでした」と話す。
映像化するにあたって特に意識したことを聞かれると、白石監督は「原作には“生命力の価値”が描かれていると思いまして。死と生命力という相反するものを核に映像化しようと思いました」と述懐する。またキャスティングについて、則雄役に南出を選んだ理由として「オーディションのときに『セリフなんでしたっけ?』って(南出が)聞いてきて。焦ってない感じが『これは則雄だな』って思って選びました(笑)」と暴露。顔つきも押切のマンガ作品に出てきそう、と思ったと言う。また住田役に近藤を選んだことに関しては「役に誠実に向き合う姿勢があるので選びました。擦れたお芝居、流されるお芝居をいっさいしない方なので、演技を見たときに彼女しかいないなと」と語った。
役作りに関して質問されると、南出はもともと則雄に通ずるところが多いと感じていたと明かし、何か特別なことをするというわけではなく楽しく演じることができたと話す。近藤は霊感がある住田のキャラクターを演じるにあたり「幽霊はどういうふうに視えるのかと思い、自分で幽霊の画像を調べ、自分なりの霊を作って想像していました」と回答した。根岸は白石監督と初めて会ったときから「ジャニス・ジョプリンのイメージでどうでしょうか!」と前のめりに演技プランをまくしたてていたそう。根岸が「(ばあちゃんの演技が)原作から大きく離れてしまいまして申し訳ございません」と押切に謝ると、押切は「最高でした」と太鼓判を押した。そんな強烈なキャラクターであるばあちゃんのモデルは、押切自身の母親だそう。会場にも来ているという押切の母は、そのことを知らないだろうと押切は告白した。
撮影現場の様子を聞かれた根岸は「監督は(自分が)提案したことを取り込んでくれるから意見を言いやすかった」と言う。また印象に残っているシーンとして「返り血を浴びるシーン」を挙げ、「血を落とすのに大変な手間がかかるので緊張した空気が漂っていて。そんな中で一発OKをもらえたとき、現場の皆が拍手してくれたのが『一緒にものを作っているな』って思えましたね」と振り返った。
最後に南出は「観終わったらなぜか元気が出てしまうような、今までにないホラー映画となっております。1人でも多くの方に観ていただきたいです」と語る。押切は「僕と白石監督、最強タッグと謳われていますがまだLINEを交換していません。もし映画がヒットしたらLINEの交換をさせていただきたい。Xでは相互フォローなのですが、もしヒットしなかったらブロック、フォロー削除、スパム報告をしようかなと思います。映画のヒットを願っています」と冗談混じりに話し、イベントは幕を閉じた。
■ 映画「サユリ」
2024年8月23日(金)全国公開
□ スタッフ
監督:白石晃士
原作:押切蓮介「サユリ 完全版」(幻冬舎コミックス刊)
配給:ショウゲート
□ キャスト
南出凌嘉、梶原善、占部房子、森田想、猪股怜生、きたろう、根岸季衣、近藤華
(c)2024「サユリ」製作委員会/押切蓮介/幻冬舎コミックス