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標的は“Appleのロゴ”──PC背面に「目に見えないレーザー」照射、会話やキー入力を盗聴する攻撃

2024年08月23日 08:31  ITmedia NEWS

ITmedia NEWS

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 8月に開催したセキュリティカンファレンス「DEF CON 32」において、セキュリティ研究者サミー・カムカーさんが、赤外線レーザーを使用してラップトップのキーストロークを遠隔から盗聴する攻撃を披露した。


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 このシステムは、部屋の窓や窓越しのラップトップの背面に向けて目に見えないレーザーを照射し、反射した振動を検出し分析することで、ターゲットの部屋の中のプライベートな会話を盗み聞いたり、キーボードに入力するタイピング音を盗聴して文字を復元したりできる。


 この手法は、ラップトップのキーボードが直接見えなくても、ターゲットのラップトップの比較的反射率の高い部分(例えばAppleロゴのような光沢のある箇所)にレーザーを当てることができれば機能する。コンピュータのキーボードの異なるキーをタップする際に生じる微妙な音響の違いを利用している。


 システムでは、赤外線レーザーやオシロスコープ、信号発生器などのハードウェアを使用。その仕組みは、音波や打鍵による微細な振動が、対象物に当てられたレーザー光の反射に微小な変化をもたらすことを利用している。この変化を光検出器で電気信号に変換し、増幅やノイズ除去を行う。


 特筆したいのは、1秒間に40万回という高速でレーザーを点滅させる技術を用いて、周囲の光源からの干渉を効果的に除去し、より精密な測定を可能にしているところである。その後、アップコンバーターを使用して信号をより高い周波数に変換し、標準的な無線通信ツールを用いて処理することで、元の音声や打鍵情報を再構成する。


 この技術の特徴は、物理的な侵入や目に見える機器の設置なしに、遠隔から秘密裏に情報を収集できる点である。


 ※Innovative Tech:このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。X: @shiropen2