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香港前場:ハンセン0.4%高で3日ぶり反発、上海総合は0.04%下落

2024年08月22日 14:01  サーチナ

サーチナ

 22日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比69.53ポイント(0.40%)高の17460.54ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が12.67ポイント(0.21%)高の6154.45ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は496億2480万香港ドルとなっている(21日前場は517億9570万香港ドル)。
 米利下げ観測が支えとなる流れ。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(7月30~31日分)では、大半のメンバーが9月利下げを支持していることが分かった。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の低下も期待されている。ただ、上値は限定的。中国と西側諸国の関係悪化が不安視されている。中国商務部は21日、欧州連合(EU)産の乳製品に関し、不当な補助金がないか調査を始めたと改めて発表した。EUが導入した中国製電気自動車(EV)に対する追加関税の対抗措置とみられている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、通信機器・自動車メーカーの小米集団(1810/HK)が8.3%高、生命保険業務を手がけるAIAグループ(1299/HK)が4.7%高、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が2.9%高と上げが目立った。小米については、4~6月期決算の調整後利益が2割増となり、市場予想を上回ったことが材料視されている。また、AIAの中間決算は5割増益に拡大し、保険業の重要指標である新契約価値(期中に獲得した新契約の価値)は中間期ベースの過去最大を記録した。
 セクター別では、香港に拠点を置く不動産や消費が高い。新世界発展(17/HK)が2.2%、恒基兆業地産(12/HK)と新鴻基地産発展(16/HK)がそろって1.2%、卓悦HD(653/HK)が10.0%、莎莎国際HD(178/HK)が2.8%、太興集団HD(6811/HK)が1.5%、周大福珠宝集団(1929/HK)が1.2%ずつ上昇した。
 「ニューエコノミー」銘柄も物色される。ハンセン科技(テック)指数は0.8%高と他の指数をアウトパフォームした。個別では、上記した小米集団のほか、オンラインゲーム事業・アプリケーション・ソフト開発の金山軟件(3888/HK)が3.7%高、電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が2.0%高と値を上げた。京東集団は昨日引け後、米小売大手のウォルマート(WMT/NYSE)が米国時間20日に保有する同社株を全て売却したと発表。同社株は前日に急落していたとあって、悪材料の出尽くしが意識された。
 半面、レアアース・非鉄関連の銘柄はさえない。ニッケル・コバルトの生産で世界大手の金川集団国際資源(2362/HK)が3.8%安、リチウム製品の江西カン鋒リ業(1772/HK)が3.2%安、銅生産で中国最大手の江西銅業(358/HK)が2.9%安、非鉄金属・鉱石の五鉱資源(1208/HK)が2.2%安、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(769/HK)が1.7%安で前場取引を終えた。
 一方、本土マーケットは小幅に3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.04%安の2855.56ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が安い。ハイテク株、素材株なども売られた。半面、銀行株は高い。公益株、エネルギー株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)