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年金は65歳からもらわないほうがいいのでしょうか?

2024年08月21日 20:31  All About

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年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人も……。年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、65歳から年金受給をするか迷っている人からの質問です。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、65歳から年金受給をするか迷っている人からの質問です。

Q:年金は65歳からもらわないほうがお得?

「私は年金を65歳から受給しようと思いましたが、まだ夫は会社員で収入もあり、老後貯金も十分あり、生活費はまかなえています。家族から年金は繰下げ受給したほうがお得だといわれました。本当でしょうか?」(64歳・専業主婦)

A:「繰下げ受給」でもらえる年金が多くなります

65歳で年金を受給せずに、もらう年齢を遅らせると、受給できる年金が多くなります。これを「繰下げ受給」制度といいます。現在では2022年(令和4年)4月1日以降に70歳に達する人(つまり昭和27年4月2日以降に生まれた人)は、最長で75歳(10年間・120カ月)まで繰下げすることができます(※)。ひと月単位で繰下げすることができ、1カ月あたり0.7%年金額を増やすことができます。

(※)昭和27年4月1日以前に生まれた人は70歳までしか繰り下げできません

たとえば、75歳まで繰り下げて年金受給すると、もらえる年金は84%多くなります。

繰り下げれば、増えた年金を一生涯もらうことができます。したがって、繰下げ受給制度は、年金受給開始までの生活費をまかなえるだけの資産がある人や家計に余裕がある人にはとてもお得な制度です。検討してみてはいかがしょうか。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)