2024年08月20日 16:51 ITmedia NEWS
広島大学は8月20日、栄養ドリンクや砂糖入りコーヒーといった甘味を加えたカフェイン飲料が、体内時計を大きく遅らせるとする研究結果を発表した。夜行性のマウスが昼行性になるケースもあった。
カフェイン入り砂糖水(0.1%カフェイン+1%スクロース水)を自由に飲める環境にしてマウスの活動時間を調査したところ、活動の開始時刻と終了時刻が有意に遅れた。甘味を含まないカフェイン水では見られない変化だった。
原因は、甘味カフェイン水により、26~30時間という長周期の活動リズムが新たに出現したこと。「カフェインと甘味の両方が影響し、このような活動リズムが出現したと考えられる」(研究チーム)
カフェイン入り砂糖水の投与を止めたところ、マウスは通常の活動リズムに戻った。その後の実験で、甘味カフェイン飲水による活動リズムの変化は中枢時計(視床下部の視交叉上核にある神経核)に依存しないことも明らかになった。
研究チームは「カフェイン摂取により、夜眠れなくなり、遅寝・遅起きな生活リズムになってしまう可能性を示唆するだけでなく、カフェイン飲料への甘味の追加が、さらにその影響を悪化させることを示す結果」としている。
研究成果を発表したのは、広島大学大学院医系科学研究科、公衆衛生学の田原優准教授らの研究チーム。論文は学術誌「npj Science of Food」に19日付で掲載された。