2024年08月20日 08:00 リアルサウンド
興味深い投稿があふれるX(旧Twitter)。その裏側には言うまでもなく、おもしろポストに精を出す人々がいる。漫画『本気でネタツイをする男の話』は、そんな投稿者の生態を描き出して9.3万のいいねを集めた。
(参考:漫画『本気でネタツイをする男の話』を読む)
作者は自らもネタツイに勤しんでいるという、かめのまくらさん(@mkr0089)。この人気漫画はどのようにして生まれたのか。制作からSNSとの距離感も含めて、作者本人に話を聞いた。(小池直也)
――本作の人気について、どうご覧になっていますか。
かめのまくら(以下、かめの):本当にたくさんの人に読んでいただけて、ありがたい限りです。Xユーザーにとっては身近な「ネタツイ」をテーマにしたことで、親近感を持って読んでいただけたのかなと。
――着想や制作経緯を教えてください。
かめの:当初は熱血物を描きたいと思っていたんです。そこで自分が最も感情移入して描けるテーマを考えた時、実際に普段から取り組んでいる「ネタツイ」が思いつきました。
――ネタツイに命をかける人は存在するのではないか、というリアリティを感じました。
かめの:さすがに命をかける……というほどではありませんが、自分の相互フォロワーには熱心はネタツイをしている方が多いですね。そのような方々のイメージも無意識的に含まれていると思いますが、直接的にモデルにしている人物はいません。
主人公としてイメージしたのは、モラトリアム期間を浪費する冴えない大学生。才能に対する根拠のない自信と、社会に出ることに対する恐怖の葛藤は実体験に基づく部分も多かったです。
――本作で数々のネタツイを考えられたと思いますが、特に気に入っているものがあれば教えてください。
かめの:終盤に出てくる「毒ドッグフード」はお気に入りのツイートです!
――主人公・尾崎のようなタイプが身近にいたらどう声をかけますでしょうか。
かめの:他人に迷惑をかけないことを大前提に、SNSは自由に好きなものを発信すれば良いと思います。無理せず楽しくが大切。ただ自分は中学生の頃からTwitterでフォロワーを増やすことに一生懸命だったので、身近に尾崎のような人がいても真っ当なアドバイスはしてあげられないと思います(笑)。
――作画についてのこだわりについてもお願いします。
かめの:主人公の顔がカッコよくなりすぎないように意識しました。最初から最後まで主人公がスマホをいじっているだけで、他の登場人物等もいないので、画面が退屈にならないように構図やポーズを工夫しています。
――今後はどんな作品を描くご予定ですか。
かめの:まだ次に描く漫画の案はないですが、自分が面白いと感じるものをどんどん漫画にしていきたいです。
――憧れ、影響を受けた作品や作家はいますか?
かめの:恐れ多くて具体的な作者名、作品名を出すことは憚られますが、少年漫画が大好きなので、色々な少年漫画から影響を受けています。
――作家としての展望、なりたい作家像を教えてください。
かめの:具体的な将来の展望はありません。とにかく自分が面白いと思うものをXで発信していければ。今の目標はフォロワー数10万人です。
(小池直也)