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「数字が取れそうなことを聞きますね(笑)」安保瑠輝也が語るYA-MAN、芦澤竜誠、リベンジしたい相手、そして結婚願望【インタビュー後編】

2024年08月19日 21:05  ORICON NEWS

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安保瑠輝也 撮影/谷脇貢史 (C)ORICON NewS inc.
 RIZIN過去最大規模の大会となった『超RIZIN.3』で、ボクシング世界8階級制覇のマニー・パッキャオと対戦し、怯(ひる)むことなく堂々と打ち合って大きな喝采を浴びた安保瑠輝也。パッキャオを攻め込むシーンも作り、そろって苦戦を予想したボクシング関係者を見返すほどの内容だった。

【動画】安保瑠輝也、パッキャオ戦を終えて次戦に意欲「1人リベンジしたい選手もいる」【超RIZIN.3】

 ORICON NEWSでは、いま最も熱い男の単独インタビューを実施。一気に日本格闘技界の中心に躍り出た安保は、次もまたボクシングで戦うのか、MMAにリベンジするのか、キックで世界の頂点を目指すのか。ファイターたちとの気になるSNSバトル、さらには“結婚願望”まで、たっぷりと聞いた。
【インタビュー前編 https://www.oricon.co.jp/news/2339831/full/】

■「朝倉未来さんの座を奪い取りたい感覚はない。日本だけのスケールじゃなく世界を目指していく」

――日本中が注目した『超RIZIN.3』の朝倉未来vs.平本蓮の感想は?

安保 正直どっちが勝つか分からなかったし、試合前には「未来さんに引退してほしくないから未来さんに勝ってほしい」という言い方をしていましたが、平本が本当に研究に研究をし尽くして、10回やったら7回くらい負ける可能性があったかもしれないけど、寝る間も惜しんで練習していた。それに、ずっと戦いたいって気持ちを持ち続けた人間が目の前に立った時って、異常な力を発揮するんですよ。要するに、獲物を狩る側のほうが強い。今回は狩る側の気持ちは平本の方が数倍デカかったから、シンプルに選手としてすごいと思いました。

――現在の格闘技界の熱を中心で作り続けてきた未来さんが引退を発表したことで、業界全体の先行きを心配するファンも多いです。

安保 現役を退くって本人が決めたのであれば、そうするべきだと思います。ファンはもっと試合が見たいから「まだいける」って言うんですけど、体を動かすのも心を燃やしてリングに上がるのも、結局は本人なので。未来さんが引退と思ったのだったら仕方ない、というのが僕の本音ですし、じゃあ未来さんのいた座を自分が奪い取りたいかっていうと、そういう気持ちじゃないかな。日本の格闘技全体を盛り上げたいから、そのために説得力も発言力もなかったらアカンけど、自分ひとりでその座を狙うっていう感覚はないですね。俺は世界を目指していきたいし、パッキャオ選手の家で世界レベルの話とかも聞いて、ワクワクとかが今はすごくデカいから、日本の格闘技界だけのスケールでは考えていないです。

――今後の展開として、SNSで少しバチバチしているYA-MAN選手との対戦の可能性はありそうでしょうか?

安保 そこにめっちゃフォーカスするかっていうと、今はそんなにしないですけど、YA-MANはファイターとしてすごいなと思うところはあります。勝負強いですし、ナメる相手じゃないけど、対戦はどうなんやろ。みんなが見たいならやってもいいなと思うけど、今じゃないかなって感覚です。

■「芦澤竜誠はマジで練習してる? ジョリーと試合をやってほしい」

――先日のYouTubeでは、パッキャオ選手との試合後に芦澤竜誠選手と電話されたことを明かしていましたが、その後もバトルが続いていますか?

安保 数字が取れそうなことを聞きますね(笑)。元々は芦澤が『超RIZIN.3』数日前のRIZIN公式の配信番組で「安保は3時間のボクシング練習でグローブを放り投げたくなったとか言ってるけど、それくらいでパッキャオに勝てるわけない」とかいろいろ言ってきて。平本が言うところの“現役を引退したクソジジイ”たちの意見はどうでもいいけど、現役ファイターで同じ舞台に上がってる人間から言われて、「お前こそ、それだけ練習してないだろうし、俺の気持ちは分からんやろ」って思って、皇治さんとの試合を見て「お前マジで練習してる?」ってなおさら思いました。俺は別に自分を一流ファイターなんて思ってないけど、芦澤に比べたら一流だし、アイツはファイターとしては三流。そんな三流ファイターが一流ファイターに偉そうに言ってくるなって感じですね。
 本人も自分が間違ってたと思うフシがあったのか、電話では「あの発言は悪かった」と言われて。向こうはメディアでハッキリ言ってきたから俺もメディアで言い返すと伝えたら「それは好きにしたらいいじゃん」ってことだったので、今こうやって好きに話させてもらってるというだけで。階級が違うからこの喧嘩で試合に発展する相手でもないし、ジョリーがやったらいいんじゃないかなって思います。芦澤が「パッキャオに勝てるわけがない」って言ってた安保の弟子のジョリーに負けたらヤバいので、やってほしいですね。本人もジョリーに対してそういう気持ちがあるのか、インスタライブをやってたじゃないですか。試合が決まったらめっちゃ面白いなと思いますよ。要するに、思ったことを言うヤツがやっぱ面白い。人にどう思われようが、思ったことを言えるヤツは物語も進んでいきます。

――いろんな選手が主張するなかで、今度は木村“フィリップ”ミノル選手がBreakingDownに出てきて、安保選手と戦いたいと盛んにアピールしていました。

安保 今は立場が違うから、俺と戦いたかったらまずはアリスター・オーフレイムとやって、次はジェロム・レ・バンナとやってもらって、それから俺とやるくらいじゃないかな(笑)。俺もシリル・アビディ選手と戦って、スダリオ選手と戦ってるから、それくらいデカい選手とやらないと。BreakingDownにパッと出て「安保を出せ」って言われて、「分かったよ、行くわ」ってそんなノリの良さは今の俺にはないっすね。まぁ、存在としては面白いし、笑っちゃいますけどね、木村ミノルって。

――パッキャオ戦直後にリングサイドに上がってきてましたよね。

安保 どういうメンタルしてるんですかね。「帰れ」って言ったら普通に後ろ向いて走って帰っていきましたけど、そこは素直なんやな(笑)。

――また、先日のご自身のYouTubeでは、アジアの格闘技団体『ONE』との契約の可能性についても言及されていました。

安保 オファーというか、けっこうタイに練習に行っているのですが、タイ人はONEに出ている選手が多くて、現地でONEのチャトリCEOと話ができる人に聞いてもらったら「独占契約じゃなくて単発契約で試合をすることも可能ですよ」って言ってもらいました。自分はK-1の時に独占契約で窮屈だなって感じることが多かったんで、単発契約ならアリかなって。やっぱりONEには一人リベンジしたい選手もいますし、あえて名前は言わないですけど一生言われ続けるんで。正直、今の俺は勝てる自信しかないですけどね。

――いろんな戦いの可能性が安保選手を待っていますね。

安保 MMAなのかボクシングなのかキックなのか、まだ28歳で時間が限られているという感覚もないし、もうちょっとしたら何か一つ「これや」っていうセンターピンが出てくると思うので、それを見つけた時に本気でそこに向かっていきたいです。

■「最近ちょっと結婚したいと思うんですよ(笑)」平本夫妻にストレートな憧れ

――その一方で、安保選手は常々「格闘家は結果がすべて」と公言されてきましたが、パッキャオ戦も健闘したものの試合前に宣言していたダウンを奪えず、現在のRIZINの戦績は「1勝1敗2分け」となっています。この数字について歯がゆさはありますか?

安保 そこに対しての歯がゆさはないですね。戦績も今聞いて「そうなんか」って気づいたくらいで。パッキャオ戦は3分3ラウンドで倒すつもりだったし、倒せる展開もあったと思うけど、何よりも「どんな展開であれ試合を支配する」ってことを決めていました。近くの距離でも遠い距離でも支配できたと思っているし、結果的にドローという形だったけど、内容には満足しています。もちろん、ファイターとして強くありたいし、誰よりも強くなりたい気持ちは間違いなく持っているので、高みを目指していきます。

――次はどんなルールで、どんなリングで、誰と戦うのか。安保選手自身も予測できないと思いますが、どんな選択をしても間違いなくファンが応援したくなるファイターになっていますね。

安保 まずは試合のオファーが来た時に自分がワクワクできることに挑戦したいし、それにファンのみんなが乗っかってくれたら最高やなって思います。

――普通のファイターなら大みそかのRIZINを目指すところですが、必ずしもこだわらない?

安保 もちろん出たいと思ってはいますけど、それまでに試合を入れるかもしれない。格闘技って水物なので、明日いきなりオファーが来るかもしれないから、常に自分を仕上げてないといけないんです。試合から2週間オフを過ごしたから、また作り上げてファイターとして自信のある自分にならないと。2週間もしたら人って全然弱くなるので、パッキャオ選手と戦った自分と今の自分が戦ったら、ボコボコにされます。それぐらい継続と積み上げが大事なんですよ。

――格闘家は休むことが難しいですね。例えば、平本選手のように素敵な伴侶を得て家庭ではリラックスしたい、みたいな気持ちは?

安保 最近ちょっと結婚したいと思うんですよ(笑)、子どもがすごくかわいいと思うし。もちろん女性と遊ぶのも好きなんですけど、1人を愛したいというか…。こんなことを言うと普段は遊んでるみたいに聞こえるかもだし、多少は遊んでますけど(笑)。最近は結婚したい気持ちがすごい強くなってきて、遊びたいっていう感覚がちょっと減ってきたかな。

――これからが一番モテそうなタイミングだと思いますが(笑)。

安保 だからこそ、ここが大事ですよね。ちゃんとお互いのことを分かりあって、支え合う人がいてくれたら。平本を見てたら、そこが強いなと思うんですよ。奥さんがすごい料理を作ってくれたり、試合に勝つことを考えて一緒にサポートしているのが目に見えるから、だから強くなっているしめちゃくちゃいいパートナーなんやろなってすごく感じて、うらやましいです。自分もそんなパートナーに出会うっていうのが、これからの人生のテーマです。

――人の結婚を興味の対象にしてはいけないのですが、ファンとしては安保選手がどんな人をパートナーに選ぶのか気になってしまいます。

安保 ここまで来たら全部エンタメなので、それも俺はたぶん発信すると思います(笑)。

◆安保瑠輝也(あんぽ・るきや)
幼少期より弟の璃紅とともに空手で実績を残し、2012年8月に17歳でKrushでプロデビュー。19年6月、K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者ゲーオ・ウィラサクレックに判定勝利で第4代王者に輝く。21年9月に第2代K-1ウェルター級王座決定トーナメントの決勝で野杁正明と対戦し、3Rに三日月蹴りによるKO負けを喫した。

 23年からRIZINに参戦し、キックルールで元K-1王者ブアカーオ・バンチャメークと引き分け、宇佐美正パトリックに判定勝ち。大みそかにMMAに初挑戦したが、久保優太に1Rリアネイキッドチョークを極められ一本負け。今年7月の『超RIZIN.3』で“ボクシング界のレジェンド”マニー・パッキャオと対戦し、3ラウンドを互角に戦い抜いた。


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