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今年還暦です。今から40年前の国民年金保険料の未払分を納付することはできますか?

2024年08月19日 18:31  All About

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年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、40年前の国民年金保険料の未払分を今から納付できるのかについて、専門家が解説します。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、40年前の国民年金保険料の未払分を今から納付できるのかについてです。

Q:今年還暦です。今から40年前の国民年金保険料の未払分を納付することはできますか?

「今年還暦ですが、20歳の頃に国民年金保険料の未払いが4カ月あります。その後就職して厚生年金に加入して現在に至ります。転職等はないので厚生年金の掛金は滞ったことはありません。この先65歳まで今の会社で再雇用として働きます。今から40年前の未払分を納付することはできますか? できないとすれば未払分は減額されるのでしょうか?」(ひまわり)

A:厚生年金に加入して働く場合、国民年金の未払分を納付することはできませんが、60歳以降厚生年金に加入して厚生年金保険料を支払うと厚生年金から経過的加算(老齢基礎年金相当)が受け取れます

日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、国民年金に加入して保険料を納付する必要があります。

国民年金保険料の納付済期間が480カ月(40年)に満たない場合は、老齢基礎年金を満額(81万6000円/令和6年度)受け取ることはできません。

国民年金保険料の未納期間がある人は、老齢基礎年金受給額を増額させて満額に近づけるために、60歳以降、任意加入制度を利用して保険料を支払うことができます。

しかし、相談者が60歳以降も厚生年金に加入して働く場合は、任意加入制度を利用することはできません。厚生年金に加入しない働き方であれば、任意加入制度を利用できます。

もし厚生年金に加入して働く場合は、任意加入制度を利用できず、老齢基礎年金は満額になりませんが、60歳以降、厚生年金に加入することで、厚生年金から経過的加算(老齢基礎年金相当)が受け取れます。令和6年度の経過的加算は昭和31年4月2日以後生まれの場合、厚生年金に加入すると、ひと月あたり1701円(年間)です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)