客のトイレマナーが悪いのはコンビニだけではない。とある百貨店で清掃の仕事をしている女性は、
「家庭ゴミを大量に持ち込んで、トイレのゴミ箱に捨てたり、粗大ゴミになる物を捨てていかれたり、なんてこともよくあります」
と驚きの実態を打ち明けた。この女性に編集部が話を聞くと、想像を絶する話が次から次へと飛び出したのだった。(文:天音琴葉)
大人用紙おむつでトイレが詰まる
女性は数年前から、この百貨店で清掃スタッフとして働いている。特にトイレ掃除にストレスを感じている様子。まず女性は、家庭ゴミが捨てられていたときの状況を語った。
「ゴミ箱の蓋を開けると、ゴミを運ぶ際に使ったであろう市指定の汚れたゴミ袋が、大量のゴミの上に広げて乗せられていました。その下に、家庭ゴミがゴソッと全部ぶちまけられていました」
発見した先輩は激怒し、話を聞いた女性や同僚たちも「非常識にもほどがある」と、みんな怒ったというが当然だろう。さらに、きれいな百貨店トイレからは想像しづらいが、便器とその周辺がひどく汚されていることもあるという。
「男性トイレだけでなく、女性トイレでも経血や大小便をトイレの壁や床につけ回ったり、汚物まみれな下着をその辺に捨てていたり。トイレが詰まって、床が広範囲にわたり汚物まみれになったこともありました。業者に直しに来てもらったら、大人用紙おむつや、ほかにも色んな物が詰まっていましたね」
なんともおぞましい……。さらには洗面所を嘔吐物で汚したり詰まらせたり、髪や爪を切って放置したままということもあったそう。便器、洗面所、ゴミ箱と何から何まで汚され放題で、掃除するのは精神的にもきついに違いない。
男女2人が多目的トイレから時間差で出てくる、ほかにも色々と…
百貨店のトイレが広いのをいいことに、あり得ない目的で使う客が後を絶たないようだ。
「店内は飲食禁止ですが、トイレで弁当を食べ、ゴミや食べかすをボロボロとこぼしたまま放置されています。禁煙にもかかわらずタバコも吸っているようで、吸い殻が捨てられていることも。1時間近くトイレを占領する人、スマホの充電をしている人もいます。多目的トイレや普通のトイレから、男女2人が時間差で出てくることもありました」
これでは用を足しにきた客が使いづらいだろう。特に広い洗面所があるトイレでは、驚きの光景が……。
「女子学生がたむろって床に座り込んでウダウダ話をしていたり、オヤツや弁当を食べたり、学校の自習室みたいに勉強道具を大量に置いて勉強していたり。制服を脱いで裸になっていたり、ドライヤーなどを持ち込んで髪の毛いじっていたり。バラエティショップがある階では、店内にあるコスメの試供品を持ち込んで、大量に使ってゴミ箱に捨てられていたことも。学生ではないですが数人で何度かダンスを踊って、スマホで撮影しているのも見ました」
こんなトイレは誰もが利用したくないに違いなく、営業妨害さながらだ。自宅のように荷物を広げているからか、トイレに財布やスマホを忘れていく客もいるようだ。見つけ次第警備員に渡すが、すでに財布の中身が抜かれていたら厄介なことになる。
「先輩がお金を盗んでもないのに、『コイツが盗んだ』とお客さんとトラブルになったことがありました。上司、先輩、お客さんで話し、一応誤解が解けたと聞いていますが、両者とも納得してないような話も聞きましたし……」
もちろん、こうしたトラブルは清掃員だけでは対処できない。
「最終的には百貨店側の判断になります。百貨店はお客さん優先ですし、トイレに監視カメラをつけられず、お客さんが何をしているかわからないので、相談したところでほぼ何も変わりません」
と残念そうに打ち明けた。どの百貨店のトイレもきれいな印象だが、その裏には清掃員による奮闘があるということを忘れてはいけないだろう。最後に女性は客への願いを語った。
「人として必要最低限のマナーは守って欲しい。家庭ゴミや粗大ゴミは捨てないでもらいたいです。ゴミの処分費用も高額になりますし、物によっては専門の業者でも引き取り拒否されることもあるので……」
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