親しい間柄にも最低限の礼儀は必要だろう。岡山県の60代女性は、4人いる幼なじみのうちの1人(以下、A子)と最近絶縁したと明かす。彼女について、
「元々結構ハッキリモノを言うタイプでワガママなところもありますが、サッパリしていて面白い人です」
といい、幼稚園から60年近くも付き合いを続けてきただけあって、互いに良いところだけでなく悪いところも受け入れてきたのだろう。それが一体どういう経緯で縁を切ることになってしまったのだろうか。(文:天音琴葉)
「出かけてるかもしれないので、玄関前に置いといて」とLINEが
きっかけは共通の友人が、かつて焼き物作家だった父親の作品を引き取ってもらいたいという話を持ちかけてきたことだった。焼き物は花瓶やお皿、湯呑みで、女性はLNEで幼なじみたちにも伝えた。するとA子が一番に「湯呑み欲しい、4点ほど」と言ってきたのだった。
女性は湯呑みを受け取るため、夫とともに心ばかりの手土産を持って友人の家を訪ねた。友人宅は遠く、宅配で送ってもらうこともできただろうが、「友人がどれほどお父さんの遺品を大切にしていたかよくわかった」といい、わざわざ出向いたようだ。A子の湯呑みだけでなく、女性自身もたくさん作品をもらったため、後日御礼を別途したとも明かした。
礼を尽くし、たいせつに作品を持ち帰った女性に対しA子はあり得ない振る舞いをしたのだった。A子の家は女性宅の近所にあり、湯飲みを手渡ししようと試みた。ところが……
「連絡したら、『出かけてるかもしれないので、玄関前に置いといて』とLINEが来ました」
家を訪ねたが留守、その翌日も、翌々日も留守
湯呑みはしっかり包まれていたものの、割れ物だから心配だったのだろう。女性は、「玄関前に置いていくのは、ムリ。誰かいるなら、手渡したい」とLINEを返した。するとA子の返事は「鍵かかってれば誰もいないから」。埒が明かないと思ったのか、女性はとりあえずA子の家まで行くことに。鍵がかかっていたため、翌日に訪ねるとまたしても留守だった。その次の日も留守で、結局手渡しできなかった。
痺れを切らした女性は、A子に「なぜ誰もいないの?」と尋ねた。するとA子は、
「家の者は、買い物か、もしくはいても面倒なので鍵をしてる。宅配も玄関に、置いてもらってるから大丈夫、置いといて」
と、相変わらず素っ気ない返事をよこしてきただけだった。驚くことに、A子は女性に対して詫びることは一切なく、そればかりか湯呑みを受け取ってきてくれたことへのお礼も一度も言わなかったそう。ついに女性の堪忍袋の尾が切れ、絶縁を決めたようだ。
そのため湯呑みは、A子と会う予定があるという別の友人に預けることに。しかし、A子から受け取りの連絡やお礼はいまだにないとのこと。
「失礼極まりない横柄な態度に、還暦過ぎて、これほど非常識な人とはもう、金輪際関わりたくない」
女性の絶縁への決意は相当固い様子。60年ほども続いた友情だったが、終わりはずいぶんと呆気ないものだった。
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