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ホンダ、新アイテム一斉投入で再生を図る。ミル「初日の順位は本当のポテンシャルを示していない」/第11戦オーストリアGP

2024年08月17日 11:40  AUTOSPORT web

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ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)/2024MotoGP第11戦オーストリアGP 初日
 8月16日、2024年MotoGP第11戦オーストリアGPの初日セッションがレッドブル・リンクで行われ、午後のプラクティスでレプソル・ホンダ・チームのルカ・マリーニは16番手、ジョアン・ミルは24番手となっている。

 ヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)は14番手、中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は22番手で終えている。また、ワイルドカード参戦のステファン・ブラドル(HRCテスト・チーム)は25番手となった。

 前戦の第10戦イギリスGPから1週間のインターバルを挟み、迎えた第11戦オーストリアGP。これまではホンダの2チーム計4名のライダーが、それぞれ異なる仕様でマシンの開発に取り組んできたが、今大会は4名が共通の新アイテムを投入。さらにテストライダーを務めるブラドルも交え、5名体制で新アイテムの実戦テストおよびマシンの開発に初日から注力を注いでいた。

 午前のフリー走行1回目では序盤からザルコが11番手、ミルも13番手につけ、転倒によるイエローが頻発するなか、順調に周回を進めた。マリーニ、中上、ブラドルの3名はタイムを伸ばせず、セッション後半には中上が16番手まで上げる。セッション最終盤の赤旗明けにタイムを上げたのは、1分30秒388をマークしたミルだった。トップから0.734秒差の9番手タイムを残し、予選Q2への期待も示した。

 午後のプラクティスでは、序盤のアタックでザルコがトップ10圏内につけ、中上も続くように15番手タイムを刻む。一方、他3名は思うようなタイムを残せずセッションが進む。15分が経過した時点で他車もタイムを伸ばしていき、ザルコ以外の4名は19番手以下という状況のなか、ブラドルが2コーナーのシケインで転倒を喫してしまう。

 FP1と同様に転倒が頻発しイエローが相次いで振られるものの、残り22分頃にザルコがタイムを上げ、一時6番手タイムとトップ10圏内に再びつける。しかし最終盤のアタック合戦では他車がタイムを上げていくが、ザルコは1分29秒606、マリーニは1分29秒809と1分29秒台のタイムを刻むも、それぞれ14番手と16番手でセッションが終了。

 一方で中上、ミル、途中転倒があったブラドルの3名は終始タイムが伸び悩み、それぞれ22番手、24番手、25番手に沈む結果となった。新アイテム一斉投入も変わらず下位に沈む結果となったものの、大きな手応えを感じたミルの表情は明るかったとのこと。5名体制で臨む今大会、土曜日の予選とスプリントでは現状のパフォーマンスをフルに発揮できるよう準備を進めていく。

■ジョアン・ミル(FP1:9番手、プラクティス:24番手)
「今日持ち込んだ新しいアイテムは、僕らにとってポジティブな一歩で、進むべき方向性が見つかったことを示している。今朝はとてもフィーリングが良かったし、午後も正直なところ、フロントはハード、リヤはミディアムで試してみたらラップタイムは良好だった。タイムアタックのためにニュータイヤを履いたとき、マシンのフィーリングに違和感を感じたし、パフォーマンスを発揮することができなかった」

「このサーキットは非常に精密に走らなければならないし、激しいブレーキングで簡単にはらんでしまう。そのクリアラップが取りにくく、イエローフラッグも頻繁に出るから満足なアタックができなかった。今日のポジションは、僕たちの本当のポテンシャルを示していないんだ」

■ルカ・マリーニ(FP1:20番手、プラクティス:16番手)
「今日もいい1日だった。マシンにまた改良を加えることができてとてもうれしい。走るごとにポジティブなポイントを見つけられるのは励みになるし、すべてのグランプリからこのようにポジティブなものを得ることがでるのは重要なことだ。今日のコンディションは少しトリッキーで、グリップがあまりなかったけど、それでも改善することができた。確かに僕たちにはまだやるべきことがあるし、他のライダーたちに追いつくために努力し続ける必要がある。土曜日に何ができるか見てみよう」

■ヨハン・ザルコ(FP1:16番手、プラクティス:14番手)
「今日の仕事には満足しているよ。ポジティブなスタートを切ることができた上に、午後のセッションではフィーリングが改善し、一歩前進することができた。ベストを尽くし、まるで優勝争いをしているかのようにプッシュしたんだ。こうしたパフォーマンスは、データの分析に大きな役割を果たせるし、マシンの改善にもつながる。明日はQ1からの予選だけど、Q2進出を目指して、スプリントでも全力でプッシュしていくよ」

■中上貴晶(FP1:19番手、プラクティス:22番手)
「午前中も午後も、フロントのフィーリングに苦しみました。そのためブレーキングで思うようにマシンを止めることができず、それがタイムロスにつながりました。今日はミスをしないように走り、情報収集に集中しました。明日のフリー走行、予選、スプリントでいいポイントを見つけられるようにしたいです」