就職に失敗したら、辞めて転職すればいいとほとんどの人は考える。しかし結婚となると、我慢する人のほうが多いかもしれない。一方で、大阪府の50代後半の女性(サービス・販売・外食/年収300万円)は、結婚生活を終わらせたと明かす。
「人生の折り返しを過ぎた50代は、本当に自分自身のことを一番に考えても良い年齢だと私は思います」
意味深に語り始めた女性は、このあと夫と離婚した経緯を振り返っていく。(文:天音琴葉)
「今は悪いけど見れない」の言葉に……
きっかけは、当時40代半ばだった女性の右乳房に病変が見つかったことだった。告知された日に夫に伝えたら、
「自分だけが悲劇のヒロインになるのはやめなさい……子ども達のことも考えて」
と諭されたという。病人に対してずいぶん冷たい言葉に感じるが、当時の女性は「確かにそうだ」と思ったといい、夫に「励まされてる」とすら思ったそう。ところが手術を受けたあと、夫の態度を見て考えを改めたようだ。そのときの出来事を次のように振り返った。
女性は勇気を出し、「術後の胸を見て欲しい」と夫に話したそう。この体験を夫婦として共有したいと思ったのだろうか。すると夫はこう返してきた。
「今は悪いけど見れない」
女性はショックを受けただろうが、夫はまだ覚悟できていなかっただけかもしれず、これだけで夫を責めるのは酷かもしれない。しかし女性は、ほかにも夫の言動に納得できないことがあったようだ。
「術後の検診も毎回不安のなか一度も付き添うこともありませんでした。今は見れない?いつなら見れるの?そう聞いたら『わからない』という答えでした。本当につらい告知のときも寄り添う言葉は一つもなく……もしこれが逆な立場なら私ならもっと寄り添って励ます…そう心から思いました」
夫の返事を聞いて、女性は「この後の人生を心から笑い合って生きて行く自信がなくなり夫への愛が一気に冷めた」といい、それだけでなく
「離婚という文字が瞬間的に湧き起こりました」
と離婚を決めたという。夫はさぞかし驚いただろうが、この女性のように病気をきっかけに人生を見直し、生き方をがらりと変える人は珍しくないようだ。
「悩んでる時間がもったいないと思います」
恋愛関係においては、一般的に女性のほうが別れを決断してから行動に移すまでが早いと言われる。この女性の場合も、離婚を決意してから実行するまで時間はあまりかからなかった様子。
「長女が高校を卒業して県外へ進学すると同時に下の子を連れて別居、のちに離婚となりました。もちろん夫は最後まで『離婚はしたくない』と言い、『とりあえず自分が家から出るからもう一度ここで考え直して』と言われ一度はそれを了承したのですが、のらりくらりされて一向に家を出なかったので、もう自分が動くしかないと。その後は自分でも信じられないほどの行動力で一気に話を進め、決着をつけました」
離婚して清々したようで、結婚生活に悩んでいる人たちへ次のようにエールを送った。
「悩んでる時間がもったいないと思います。離婚は相当な体力気力がいりますが後悔はしていません。心のままにあなた自身の人生を笑顔でおくれる環境を作って欲しいです。なせばなりますから…!」
妻や母になると自分の人生なのに脇役になりがちだ。女性だけではなく、誰しも後悔のないように生きられたらいいのだが……。
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