2024年08月13日 12:41 ITmedia NEWS
PCゲーム配信プラットフォーム「Steam」でマルウェアが人気だ。ユーザー評価は8月8日時点で「非常に好評」だ。……もちろん、本物のコンピュータウイルスではない。「マルウェア」という名前の「ひたすら余計なソフトウェアをインストールさせようとしてくるインストーラをどうにかする」ゲームが1日にリリースされ、一定の評価を得ている。
ゲームの主人公は、1999年にタイムトラベル(時間旅行)してきた未来人。しかし、帰りの旅費を悪人に奪われてしまう。そこで、あの手この手で抱き合わせのアドウェアなどをインストールさせようとしてくるインストーラを調査し、目当てのソフトだけ導入する手段を探す事業者として旅費を稼ぐことになる。
ゲームは大きく「メールを通してインストーラの調査を依頼される」パートと「実際にインストーラを調べる」パートに分かれる。目玉はもちろん後者だ。古いWindows風インストーラ(を模したUI)を実際に操作し、余計なアドウェアを除いてインストールできる方法を探す。
序盤のうちは「無料の○○を手に入れる」といったチェックボックスを外すだけでいいが、インストーラ側の手口も悪質化、もとい巧妙化していく。例えば「チェックボックスを外そうが何をしようが、アドウェアが絶対にインストールされる。回避するには、インストーラ起動時に一度キャンセルを押すことでしか現れない軽量版のインストール画面に移行し、そこでチェックボックスを外してインストールするしかない」ソフトなどが登場する。
もちろんノーヒントなので、プレイヤーは己の“カン”を駆使し、ときには「分かるかそんなもん!」と思いながらインストーラを調べるしかない。要するに、このゲームはインストーラを模したヒントなしの謎解きゲームなわけだ。
“抱き合わせのアドウェア”全盛期っぽさを再現したUIやデザインもニクい。インストーラを開くときはわざわざゲーム画面が一度最小化される仕様だし、メールや同意書にも小ネタが仕込んであり、インターネットに入り浸った人やゲームマニアならクスッと笑える。ちなみに、ユーザーが謎解きを自作し、他のプレイヤーとシェアできる機能も存在する。
レビューには「古き良きインターネットを思い出させる悪辣な内容」「フレンドに『マルウェアを起動しました』という通知を送れるのでおすすめ」など、好意的なものも多い。ゲームの価格は350円。15日午前2時ごろまではセール中で、20%オフの280円で購入できる。無料の体験版も存在する。