2024年08月13日 09:01 ITmedia NEWS
クリエイター支援プラットフォームを提供する米Patreonは8月12日(現地時間)、iOSアプリでPatreonを使っているクリエイターに対し、米Appleによる規約変更後もApp Storeでのアプリ提供を継続するための利用方法変更計画について説明した。
Patreonによると、Appleは規約変更で、PatreonにiOSアプリ内でAppleのアプリ内課金システムを使うことを義務付けた。変更後の規約に従わない場合は、PatreonアプリをApp Storeから削除するとAppleに通告されたという。
Patreonは、クリエイターがファンからの継続的な支援(月額会員制など)を通じて収益を得ることができるプラットフォーム。Patreon独自の課金システムを使ってファンからの支援を受けることができる。
このシステムは、Appleのアプリ内課金システムではサポートされていないため、iOSアプリを使っているクリエイターは規約が有効になる2024年11月までにアプリ内課金システムに移行しなければならなくなった。
Patreonは対策として、クリエイターをiOSアプリ課金システムに移行させる16カ月のプロセスを開始した。
iOSアプリを使うクリエイターは、Appleの課金システムに移行しなければならないが、そうするとAppleへの手数料(いわゆるApple税)分収入が減るため、iOSアプリでの価格を自動的に値上げするオプションを提供する。
2024年11月以降に発生する新規の会員登録やコンテンツ販売にはAppleの30%の手数料が課せられるが、既存の会員にはこの手数料は適用されないとしている。なお、WebとAndroidアプリについてはこの変更の影響は受けない。
Patreonは、「これらの解決方法は理想的ではない」が、「クリエイターとファンにとって可能な限りスムーズに移行できるよう、全力を尽くす」としている。
AppleはApp Storeの規約をめぐって米Epic Gamesなどと係争中だ。米最高裁が両社の控訴を却下したことで規約を緩和したものの、欧州圏以外ではアプリ内課金システムの利用義務付けは変わっていない。