2024年08月09日 18:31 ITmedia NEWS
厚生労働省は8月9日、コード決済サービス「PayPay」を手掛けるPayPay社を、給与のデジタル払いに対応する資金移動業者に指定した。これを受け、同社は年内にPayPayでの給与受け取りを可能にするサービスを提供すると発表。サービスが開始すれば、雇用主は従業員の希望があった場合、給与をPayPayの残高(PayPayマネー)で支払えるようになる。
PayPayはサービスの仕様も明らかにした。雇用主と従業員がそれぞれが給与のデジタル払いに同意した後、従業員はPayPayのスマートフォンアプリ上で給与受け取りを申し込める。申し込むと、給与の振込先となる口座と、受け取った給与をPayPay残高として保有する「PayPayマネーアカウント(給与受取)」が設定される。
その後雇用主が口座に給料を振り込むと「PayPayマネーアカウント(給与受取)」に残高がチャージされる仕組みだ。ただし「PayPayマネーアカウント(給与受取)」の上限額は20万円。上限額を超えた分は、指定の口座に現金として振り込まれる。既存のPayPayアカウントと残高は共有されない。
「PayPayマネーアカウント(給与受取)」内の残高は、他の金融機関口座へ現金として振り込むこともできる。手数料はPayPay銀行の場合は無料。そうでない場合は月1回のみ無料で、2回目以降は100円かかる。
厚労省の指定に伴い、PayPay社やLINEヤフーを含むソフトバンク系10社は、サービス開始に先行して給与のPayPay払いに対応する方針を明らかにした。8月14日から、希望する従業員を対象に実施するという。
政府は当初、2021年春に給与デジタル払いのスタートを目指していたが、不正出金が相次いだ「ドコモ口座」事件の影響などで遅れていた。その後23年4月に指定の申請が可能になり、PayPay社や楽天ペイメントなどが申請していた。