2024年08月09日 14:31 ITmedia NEWS
米Google DeepMindは8月8日(現地時間)、競技卓球でアマチュアレベルの能力を発揮する初の学習ロボットエージェントを開発したと発表した。
卓球は、高速動作、リアルタイムの正確かつ戦略的な意思決定、システム設計、人間の対戦相手との直接競争の実現など、ロボットの能力を向上させるための貴重なベンチマークになるため、卓球ロボットの開発に取り組んだという。
「ロボット工学における長年の目標である、実世界で役立つスキルで人間レベルを達成するという目標に向けた小さな一歩」だとしている。
プロの卓球コーチも参加して開発したロボットは、対人間の29試合で13勝した。初心者との対戦では100%、中級者との対戦では55%の勝率だったが、上級レベルとの対戦ではすべての試合に負けた。
上級者は試合中にロボットの弱点(アンダースピンの処理に向いていないなど)を見抜いてそれを指摘した。
このロボット実現のために、階層型でモジュール型のポリシーアーキテクチャ、現実世界に基づいたトレーニングタスクの分布を定義するための反復アプローチを含むゼロショットシミュレーションから現実への変換を可能にする技術、見えない相手へのリアルタイム適応技術を開発した。
このロボットは「人間と人間レベルでスポーツを行うことができる初のロボットエージェントであり、ロボットの学習と制御における画期的な出来事」だが、「単一のタスクで人間レベルのパフォーマンスを一貫して達成し、さらにその先へ進むためには、多くの有用なタスクを実行し、現実世界で人間と巧みに安全にやりとりできる汎用ロボットを構築するという、多くの作業が残っている」としている。