アシックスは、2021年開催の東京オリンピックを機に、スケートボードシューズの開発に参入。スケボーシューズといえばナイキや「ヴァンズ(VANS)」などのクラシカルなシューズが定番となっている中、後発で参入した日本発ブランドとしての強みについて、担当者は「スポーツ工学研究所での動作検証をもとに試行錯誤した、独自の機能的なアプローチが他社との違い。ユーザーに寄り添ったものづくりが弊社の強みと捉えている」とコメント。赤間選手が着用した「ジャパン プロ(JAPAN PRO)」にも、同社が培ってきた機能的側面が詰め込まれているという。
ジャパン プロは、1981年発売のバスケットボールシューズ「ファブレジャパン・エス(FABRE JAPAN S)」をベースにしたライフスタイルシューズ「ジャパン・エス(JAPAN S)」をスケートボード仕様にアップデートしたモデル。スケボーの動作分析をもとに、パンチングの穴を設けた中敷を採用し、内重心を促すことでボード上での安定感を向上している。アッパーにはスエード素材を使用し、つま先やかかと部分のパーツのステッチを3本にすることで耐久性を高め、シュータンとインソールをゴムバンドで繋ぐことでズレを軽減。シュータン自体を分厚くすることで、快適な履き心地を実現した。
内側と外側で異なるロゴの配色が話題となった赤間選手の着用カラーは、アシックスが今回のオリンピック時期に合わせて展開しているシューズコレクション「CELEBRATION OF SPORT Collection」のキーカラー イエローを配した別注。現段階では、一般発売の予定はないという。
大会を終えた赤間選手は、「アシックスのシューズはすごく自分の足に合っていて、いつも調子がよく、最近は大会でもよい成績を残すことができていて本当に感謝しています」とコメント。これを受け、アシックスの担当者は「パリオリンピックで赤間選手の素晴らしいスケートパフォーマンスを弊社シューズでサポートできたことを光栄に思っております」と話し、赤間選手着用による反響については「SNS上でポジティブな反響があることを確認しております。スケートボード市場において、弊社ブランドの認知拡大を進めている中で、弊社シューズをご着用いただいたことに感謝をしております」とコメントしている。
同社は現在、スケボーシューズの展開を日本とアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジル、フランス、中国の8ヶ国に絞っているが、今後は「アシックス スポーツスタイル(ASICS SportStyle)」が好調のヨーロッパ地域での展開拡大も視野に入れているという。