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iPhoneでライカっぽい写真を撮れる! Leicaの純正カメラアプリ「Leica LUX」を試す

2024年08月06日 06:11  ITmedia Mobile

ITmedia Mobile

「Leica LUX」は、ライカ風の写真が撮れるライカ“純正”のiPhoneアプリだ

 6月初旬、突如として「App Store」に登場し、瞬く間に話題となったiPhone向けカメラアプリがある。「Leica LUX(ライカ・ルックス)」だ。ダウンロードは無料で、全機能を利用できる「Leica LUX Pro」を使う場合は、アプリ内課金は必要となる(詳しくは後述)。


【その他の画像】


 Leica LUXはLeica(ライカ)純正のカメラアプリ……なのだけども、同社はスマホアプリを複数作っているので、間違えないように。検索なら「Leica LUX」とフルワードで検索すべし。この記事をITmedia Mobileで見ている人は、下のリンクからダウンロードできる。


 今回は、有償版であるLeica LUX Proをガッツリと試していこうと思う。


●そもそも「Leica LUX」ってどんなアプリ?


 Leica LUXは、ズバリいうとライカ風の写真を撮れるカメラアプリだ。「Xiaomi 14 Ultra」で撮ったライカな写真を見て「ちょっとうらやましい」と思った人は、まずダウンロードすべしだ。


 うまくいったら、こんな写真を撮れたりするのである。


 このように、写真の下にLeica LUXで撮りました的な「透かし」を付けられるのも、特徴のひとつ。この透かしのデザインはXiaomi 14 Ultraと全く同じである。


 ただし、Leica LUXは「iOS 17.1以上」を搭載するiPhoneじゃないと使えない。これは要注意だ。iOS 17のカメラ機能を利用しているのだろう。


●いろいろなルックやレンズが楽しい ただし全解禁するには要課金


 Leica LUX自体は、Leica風のデザインを持つ単なるカメラアプリだが、違うのはライカっぽい“写り”を楽しめること。


 ひとつは、ライカ風の「ルック」。iPhoneのカメラアプリでいう「ビビッド」とか「ドラマチック」とか、そういうのと思えばいい。あるいはフィルムを変えて撮影するイメージ。


 渋い感じとか、わびた感じとか、こってりした感じとか、キリッとしたモノクロとか、いろいろと用意されている。それで撮るだけで写真の雰囲気ががらっと変わる。一番の魅力だ。


 もうひとつは「レンズ」だ。ライカの代表的なレンズから選んで、そのレンズならではの雰囲気やボケを楽しめるのだ。


 ただし、無料で使えるルックやレンズには制限がある。無料の場合、ルックは「Std(スタンダード)」「Vivid」「Natural」の3つと、モノクロのルックが2つ。レンズは「28mm Summilux」のみ使える。


 それ以外を使いたい場合は「Leica LUX Pro」にアップグレードしろといわれるのだ。


 無料で使えるだけでも、ライカの雰囲気は楽しめるのだけど、ライカっぽい写真をより楽しんで撮りたいならProにしたいところ。


 そこで、フル機能を使えるLUX Proにアップグレードしてみた。App Storeのアプリ内課金で、月額1000円と年額1万円の2コースが用意されている。カメラアプリで月々1000円(年額なら1カ月当たり約833円)は少し高い気はするけど、2週間(14日間)の無料トライアルがあるので、試してみるといい。


 Proにアップグレードすると、5つのルックと4つのレンズに加えて、仮想絞り(リアルな絞り機構は持ってないので)などの機能を使うことができる。


 ちなみに先ほど例に挙げたモノクロ写真のルックは、Proでしか使えない「Blue」、レンズは同じくPro限定の「NoctiLux 50mm F1.2」だ。


 ということで、ここから先はLUX Proにしてあるという前提で話を進めます。自分のLeica LUXをProにしちゃったのだからしょうがない。


●標準カメラアプリ的に使える「Pモード」


 では使ってみよう。


 Leica LUXには「Pモード(フォトモード)」と「Aモード(アパーチャーモード)」がある。Pモードは標準カメラアプリの「写真」モード、Aモードは前後をぼかした写真を撮れるので「ポートレートモード」と同じと思えばいい。


 Pモードで選べる焦点距離は……もちろん、iPhoneの機種によって異なるけれども、iPhone 15 Pro Maxの場合は「13mm」「24mm」「48mm」「120mm」の4種類から選べる。それぞれ、標準カメラアプリでいう「0.5x」「1x」「2x」「5x」に相当する。さらに「FRONT CAMERA(インカメラ)」が加わって、最大5つだ。


 ちなみに、Leica LUXでは細かいデジタルズームはできない。


 その隣にあるのが露出補正。露出補正の下にあるのは「グリッド表示」のオン/オフ。そして上にあるのが「ルック」。


 撮るときはルックをタップして、どのルックで撮るのかを選んで撮るべし。


 今回はLUX Proにしてあるので、ルックとして「Classic」「Contemporary」「Eternal」なんかも選べる。


 このときINFOボタンを押すと、ルックによっては簡単な解説が出る(英語だけど)。


 また、メインメニューから「Leica Looks」をタップすると、特徴的なLeica Looksについて詳細な解説を見ることができる(英語だけど)。


 中でもEternalのルックなんか、夜に使うと何てことないシーンがやたらカッコよくなるのでお勧めしたい。


●Leica LUXの醍醐味(だいごみ)は「Aモード」にあり


 Leica LUXの面白さは、Aモードにこそある。


 P MODEとある部分をタップすると、こんなダイアログボックスが出てくるので、「APERTURE」を選んであげよう。


 ここは細かな撮影設定をしたり、メインメニュー(右下にある歯車アイコン)を表示したりする大事な画面だ。


 APERTUREは「絞り」の意味。カメラの撮影モードにある「A」(キヤノンやペンタックスだと「Av」)は、こういう意味だったのである。


 このアプリの場合は、絞りを仮想的にコントロールして、背景のボケ具合を調整するモードというくらいの意味で考えればいい。先述の通り、標準カメラアプリでいう「ポートレート」みたいなものだ。


 このモードでは、ライカの有名なレンズのシミュレーションをしてくれる。「レンズ交換をする感覚で使い分けてね」といった感じだ。


 無料で使えるのは、上の画像にもある「Summilux-M 28 f/1.4 ASPH.」のみ。Summiluxは「ズミルックス」と読む。ポピュラーな28mmの広角レンズだ。


 LUX Proだと、さらに「Summilux-M 35 f/1.4 ASPH.」(35mm)と、「Noctilux-M 50 f/1.2 ASPH.」(50mm)も選べる(Noctiluxは「ノクチルックス」と読む)。さらに、望遠カメラ付きのiPhoneだと、その機種に応じた望遠レンズも選べる。iPhone 15 Pro Maxだと「APO-Telyt-M 135 f/3.4」(135mm)が加わる(APO-Telytは「アポ・テリート」と読む)。


 レンズ交換する感覚で使うモードなので、それぞれの絞り値やボケ具合も、レンズによって違うのが面白い。例えばNoctilux 50mmで撮ると、背景がぐるっとした感じでボケる。


 ライカっぽさを楽しむなら、35mmや50mmのレンズいいかと思う。


 ちょうどいい距離感の場所にネコがいたので、望遠の135mmでも1枚。


 背景のボケ方にも特徴があるのでよく見ると面白い。ただ、仕組みはiPhoneのポートレートモードと同じなので、エッジの処理が常にうまくいくとは限らない。iPhoneの機種によっても、仕上がり具合に差は出るかと思う。


 背景がうまくボケないと思ったら、撮りたい被写体をタップして指定してやるといいようだ。


●「Leica」透かしの入れ方


 撮影した写真は、Leica LUXアプリ内のビュワーで見られる。ビュアーでは、LUXアプリで撮った写真だけをサムネイルで並べてくれる。


 先の作例にもあるLeicaの“透かし”は、このビュワーで入れるられる。


 まず、写真をタップして大きく表示してから上にスライドすると、撮影時の設定が出てくる。次に左下のアイコンをタップすると透かしが入るので、それを保存すれば挿入が完了する。


 ただし、注意点が1つ。撮った写真はiOSの「フォトライブラリ」に保存されるわけだが、それをほんのちょっとでも「写真」アプリで編集しちゃうと、透かしを入れられなくなる。他のアプリでいじっちゃうと、もう「Leica LUXで撮った写真とは認められない!」ってわけだな。


 このビューワーには、改善の余地がある。サムネイルが正方形でしか表示されないのは後から写真をセレクトするとき不便だし、日付別に並べるとか、使ったレンズ別にセレクトできるなど、今後撮影枚数が増えることを考えるともうちょっと機能が欲しいかな、とは思う。


 以上。


 個人的には、Blueとか、Classicとか、EternalあたりのルックはLEICA LUXならではの画作りで、日常的に使いたくなる。


 問題はProのサブスクリプション価格だ。繰り返しだけど、カメラアプリとしてはちょっと高い。この値付けが妥当かどうかは、今後どのくらいの頻度でアップデートしてレベルアップしてくれるかかにかかってくるかな、とは思う。


 でもとりあえず、写真好きなら、2週間の無料トライアルはやってみるべきかと思う。久々に常用したくなるカメラアプリの登場って感じだ。


 わたしがどうするかは、まもなく訪れるトライアル期間が切れる頃にまた考えたいけど、このまま使い続けたい気分にはなっている。