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2026年F1新マシン導入に備え、テスト用『ミュールカー』の規則が追加。年内に10日間のタイヤテストが可能に

2024年08月03日 14:30  AUTOSPORT web

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2026年に導入されるF1新世代カーのレンダリング画像
 2026年にF1技術レギュレーションが大幅に変更され、今とは全く異なるマシンが使用されることへの準備として、FIAは、F1公式タイヤサプタイヤーのピレリが今シーズンに各チームが製造するテスト用の『ミュールカー』でのテストを実施できるようにするため、2024年レギュレーションに修正を加えた。

『ミュールカー』は、将来に向けてのタイヤテストやFIAのコンポーネントテストの目的で最小限の改造が施されたマシン。ピレリからの要請を受け、FIAおよびF1商業権所有者の全面的な支援のもとで、F1チームは、この『ミュールカー』の製造を開始している。

 2026年のタイヤの挙動を知ることには大きなメリットがあるため、ほぼ全チームが自身のミュールカーを製造することを志願、スペインGPの週末に抽選が行われ、アストンマーティンが、コース上の開発プログラムを開始する最初のチームに選ばれた。

 2025年用タイヤ開発テストが行われるなかで、それと並行して2026年用のテストもまもなく開始される。2026年に向けた作業は舞台裏ではすでに始まっているが、実際のコース上でのテストは、9月のアゼルバイジャンGPとシンガポールGPの間に開始される予定だ。

 より幅広く重いタイヤが導入された2017年、ホイールサイズが拡大された2022年の前にも、ミュールカーでのテストが行われた。

 9月にテストを開始できるよう、FIAは2024年F1レギュレーションに新たな規定を挿入した。現在の規則ではテストに非常に厳しい制限がかけられているため、現在より30パーセントダウンフォースが低い、小型で軽量なマシンが導入される2026年の規則を想定したテストを行うためには、FIAがテスト規則の変更を行う必要があった。

『ミュールカー』のベースは、現シーズンの前の4シーズン、つまり2020年から2023年までのいずれかの技術レギュレーションに合わせて製造されたマシンでなければならない。つまり、グラウンドエフェクト規則が導入される前のマシンも含まれる。それらのマシンは、サイズなどの面では、2026年の規則に近い部分がある。

 ピレリは、2026年仕様の空力特性を備えた軽量モデルを再現することは非常に難しいとの見解を示している。しかしデータの信頼性を高めるためのソリューションを導入することは可能だろう。

 ピレリは今年末までに2026年用テストを10日間行うことができる。2025年にはテスト日数は40日に増える予定だ。