子どもが幼いうちはママ友との付き合いが大事な面はある。しかし、趣味が合わないと付き合い切れなくなることも。「アウトドア派とインドア派の間には、深くて暗い川があると思います」と語るのは、関東の40代前半の女性。若くして夫を亡くし、シングルで一人娘を育てているという。
娘が小学生の頃、同じマンションの女の子2人とその母親と「なんとなく親しくなった」という。子ども同士の歳が近いこともあり、休日には子どもが遊びに行き来することもあったそう。しかし、
「何度か遊びに行った後、娘はその子の（家に）遊びにいくのを躊躇するように」
なんでも、アウトドア派のママ友は女性の娘をバーベキューに連れ出したが、娘にとってバーベキューは散々だったようで……。（文：篠原みつき）
娘の疑問「なんで不便な所にわざと泊まりにいくの？」
「娘が言うには、虫に刺されながら野菜ばかり食べさせられたとか。肉は自分の子に優先的にあげていたと訴えたのです」
かなり可愛そうな扱いを受けたとのことだが、女性は「子どもの言うことだし……」と、このときは受け流した。しかし実は娘は、そもそも相手の子どもと相性が合わなかった。
「そこのお子さんが遊びに来た時、嫌がるうちの子を、外でボール遊びしようと引っ張っていたのでとめました」
「うちの子は私ともどもインドア好きなようで、夏はプールよりも、家で本を読んだり（漫画も含む）、映画を見たりの方が好き。私のタブレットでお絵描きをするのが最近のマイブームのようで、私より覚えが早いです」
外出にしても「ショッピングモールや図書館、映画など、暑さ寒さのないところ」へ行きたがるタイプだという。キャンプについては、
「なんで不便な所にわざと泊まりにいくの？必殺技の修行？」
「バーベキュー行く人って、なんで焼肉屋行かないの？」
と聞いてくるような子どもだそう。完全に文化系のインドア派である。対してママ友の娘2人は、
「駐車場でボール遊び（大迷惑なので注意したけどやめてくれない）や、プール、キャンプやBBQが大好き。全く嗜好があいません」
と断言するほどのアウトドア派。そのため、仕事を理由にして家族ぐるみでのキャンプなど、アウトドアな誘いは断っていた。すると、「ある週末とんでもないことに」なったという。
猛暑日が続く日に「ディズニーランドに一緒に行こう」と誘われ
「その週末は娘が公開を楽しみにしていたアニメ映画見に行く予定でした。なにげに私も楽しみにしていました」
そこで明日着ていく服を選んでいた夜のこと。ママ友からLINEが入った。 なんと「明日ディズニーランドに一緒に行こう」という誘いだった。
「ちなみに7月初旬。連日の猛暑日で警戒アラート確実な日に。パスがあるとか使えるとか言っていましたが、娘は実のところ、ディズニーには興味がない子」
以前も連れて行ったことがあったが、娘は「歩き疲れてくたくたで、夢の世界には入り込めず、楽しくなかった、という評価を下していました」とのことで、すこぶる相性が悪い様子。
それが「猛暑の中で行こうと提案されたから大変」と語る女性。慌てて、「明日は大事な予定があるから、別の人を誘ってください」と断った。しかし、ママ友の方は納得行かなかったようだ。誘い自体は断れたが、当日の朝、ことはすんなりと運ばなかったようで……。【後編へ続く】
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