メルセデスF1、車重違反で優勝失ったラッセルに謝罪。原因はこれから調査も「1ストップでのタイヤの減りが一因と予想」

　2024年F1第14戦ベルギーGPで優勝したジョージ・ラッセル（メルセデス）のマシンが最低重量を1.5kg下回っていたことが発覚し、ラッセルには失格の裁定が下された。メルセデスは自分たちのミスを認め、失格を受け入れたが、正確な原因についてはこれから調査を行うということだ。

　2回ストップでルイス・ハミルトンが優勝を手にするかに思われたが、レースをリードしていたラッセルとチームは1回ストップに切り替えて最後まで走り切ることを決めた。ラッセルは新しいタイヤで後方から追いついてきたハミルトンを最後まで抑えきり、0.526秒差でトップでフィニッシュした。

　しかしレース後の車検で、ラッセルのマシンが、規則で定められた最低重量798.0kgを1.5kg下回る796.5kgであることが分かった。チームはヒアリングにおいて、スチュワードに対し、「酌量すべき事情はなく、チームの純粋なミスであった」ことを認めた。

　トト・ウォルフ代表は、失格の裁定を受け入れるとし、ラッセルに謝罪した。

「失格を真摯に受け入れなければならない。我々は明らかにミスを犯した。そこから学ぶ必要がある。この後、何が起きたのかを評価し、何が悪かったのかを理解する」

「ワンツーを失ったのは悔しいことであり、ジョージには謝罪するしかない。彼は非常に強力なレースをした」

「ルイスが1位に昇格される。彼は2ストップで走ったなかで最速であり、勝利にふさわしい」

　トラックサイド・エンジニアリング・ディレクターのアンドリュー・ショブリンは、重量不足の正確な原因はまだ把握していないとしながらも、ラッセルが1回ストップに変更して走ったことによりタイヤの摩耗が進み、想定以上に重量が減った可能性を挙げている。

「非常に素晴らしい走りを見せて勝った後に失格になるというのは、ジョージにとって本当に辛いことだ。彼はフィニッシュまでタイヤをを長く持たせ、ポジションを守り抜くという見事な仕事をした」

「今の段階ではまだ、レース後にマシンが重量不足だった原因を理解していない。これから、原因を見つけるために徹底的に調査する。我々は、1回ストップで走ったことでタイヤのラバーが減ったことが、一因であると予想している。どのようにしてそれが起きたのかを理解するため、これから調査を行う」

「ただし、言い訳はしない。明らかに十分に良い仕事ではなく、二度とこれが起こらないようにする必要がある」