連日の猛暑で、海のレジャーを考える人も多いのではないでしょうか。水中には知られざる危険生物がたくさんいます。
【写真】見た目は地味なイモガイ…実は、人をも殺すほどの「強力な毒針」を持っています
水中生物の脅威といえば、サメが思い浮かびますが、サメ以外にも危険な生物はいます。水中の泥の中に潜んだり、暗闇から突然現れたり、珊瑚礁の隙間に隠れていたり。
楽しいはずの海では絶対に会いたくない、水中の怖い生物ばかりを150種を収録した図鑑が刊行されました。「最強サメと海の危険生物大図鑑」(編訳者:DK社編 黒輪篤嗣訳、河出書房新社)です。
「最強サメ」に加え、恐ろしい水中生物が紹介されていますが、サメ以外の危険な生物を紹介します。
暗闇から現れる海水のヘビトカゲ「ヘビトカゲギス」
まずニョロっとした見た目がイヤな感じの水中生物「ヘビトカゲギス」を見てみましょう。本書では以下のように解説しています。
ヘビトカゲギスはからだにそって発光器がついていて、大きなうろこでその光を反射させている。長い光るひげがあるのが特徴。このひげで小さな魚をおびきよせておいて、とがった長い歯がたくさん生えた口でがぶりとかみつく。(本文ママ)
体の歯の比率から見ると魚の中で最も歯が大きい「ホウライエソ」
受け口の顔面が強烈な印象を残す「ホウライエソ」。本書での紹介文を読むだけで震えます。
ごうかいな攻撃をする魚だ。下あごを前に出して、頭を上側にのけぞらせ、口を180度近くにまで大きく開けて、ものすごい力で相手にかみつく。そのため「首」の骨は、その衝撃をやわらげるよう特別な形をしている。(本文ママ)
20分で死に至ることもあるヒョウモンダコ
毒々しい体の模様がおぞましい「ヒョウモンダコ」。興奮すると、この模様のうち茶色いシマ模様が濃くなるという不気味な特徴があり、人間がヒョウモンダコに噛まれると20分で死に至ることもあるそうです。
タコはかしこいハンターだ。からだの大きさや力の強さでえものをねじふせるタイプのタコも多いけど、からだが小さいこのヒョウモンダコは強力な毒を使う。毒々しい青いもようは、自分より大きい動物に対して、自分に近づくなという警告になっている。人間はこのタコに1回かまれただけで、命とりになることがある。(本文ママ)
海水浴場で要注意の水中生物とは?
この他にも多くの水中の怖い生物が収録されていますが、刊行の経緯を担当編集者に聞きました。
ーー刊行の経緯は
「最強生物や危険生物の人気が高まるなか、水中生物に絞った本が少なかったこともあり、本書の刊行によって海の奥深く危険な世界を紹介したいと考えました。最大6mの巨体を持つ『ホホジロザメ』はまさに最強生物ですが、かしこく、力が強く、さらには強力な毒を持つ『ヒョウモンダコ』も海で絶対に出会いたくない相手です」
ーー海水浴場ではまず遭遇することはなさそうですが、海水浴場で要注意な水中生物は?
「一見地味な見た目のイモガイです。イモガイは刺されると死に至ることもある強力な毒針を持つので、磯遊びの際には気をつけてください。カツオノエボシも浜辺に漂着していることがあります。見た目は美しいですが毒があるので、近づかないように注意してください」
お子さんとの夏の読み物としても最適な図鑑
本書で紹介されている「水中の怖い生物」にはそれぞれ「モンスター度」で危険度を示しているほか、生体域も記載されているので、海水浴場にいる生物かどうかがよくわかるのもポイントです。
「コワモテの生物が実はおとなしく安全な魚だったり、美しい生き物が実際は凶暴だったりと、意外な生態が一目瞭然。ぜひ、魚たちの見た目とのギャップを楽しんでください」
お子さんと一緒に読めば、話が盛り上がることウケアイの図鑑です。ぜひ手に取ってみてください。
(まいどなニュース特約・松田 義人)