魚豊原作によるTVアニメ「チ。 ―地球の運動について―」が、10月にNHK総合で放送開始決定。毎週土曜日23時45分より放送される。併せてティザービジュアルとティザー映像が公開された。
【動画】地動説の証明に信念と命をかけた人々の物語「チ。 ―地球の運動について―」ティザー映像「チ。 ―地球の運動について―」は、地動説を証明することに信念と命を懸けた者たちの物語。原作はビッグコミックスピリッツ(小学館)で連載され、第26回手塚治虫文化賞の大賞などを受賞した。アニメ化は2022年6月に発表され、マッドハウスがアニメーション制作を担当する。
ティザービジュアルには、地球から宇宙を観察しているラファウが描かれた。ティザー映像はラファウの「この世はバカばっかりだ」という独白から始まる。天動説が真理とされ、その理を覆すような研究が重罪だった時代。謎めいた学者・フベルトと出会い、強烈な知的好奇心が芽生えるラファウの様子が収められた。併せて場面カット10枚も公開されている。
キャスト情報も解禁となり、ラファウ役は坂本真綾に決定。ノヴァクは津田健次郎、フベルトは速水奨が演じる。
魚豊は「漫画は良くも悪くも個人作業の面が強く、かなりの事を"自分ごと"に出来てしまうので、だからこそ、他のメディアに移された時に、自分のものでなくなる様な感覚を期待しています」とアニメに期待を寄せる。原作の大ファンだと言う坂本は「彼自身の中に湧き起こる葛藤や欲求を視聴者の皆さんが一緒に体験して“知”への渇望を共有してもらえるように、序盤は特に親しみやすさを重要視して演じました」とコメントした。
■ 魚豊コメント
□ アニメ化を知った際の感想
純粋にとても嬉しかったです。
アニメ化は1つの夢でしたが、いざ決定した制作会社さんや、それ以外のスタッフ、キャスト、放送局、音楽などをお聞きすると、全て「本当に?」と疑うくらい好条件で、いまだに夢のままの様で、現実感がありません。
あとマッドハウスさんは、学生時代毎週通っていた友人宅の近くにあったので、アニメの話を聞くたびに学生時代が想起されて、色々と感慨深いです。
□ アニメに期待している事
漫画は良くも悪くも個人作業の面が強く、かなりの事を“自分ごと”に出来てしまうので、だからこそ、他のメディアに移された時に、自分のものでなくなる様な感覚を期待しています。
切り離された他人事として見られる気がして、それがとても嬉しいです。
□ ファンに向けて一言
原作が完結して2年経ちますが、製作陣の皆様によってフレッシュに“再生”させていただきましたアニメ版「チ。」を、僕もみなさまと同じ一視聴者として、とても楽しみにしています。
絶対面白いです!
■ 坂本真綾(ラファウ役)コメント
□ 原作・台本を読んだ時の感想
もともと原作の大ファンで、大きな感動をいただいていました。オーディションのお誘いをいただいた時には嬉しさと興奮、そして、まさかのラファウ役?!と衝撃を受けました。難しい役どころであるとわかっていたので緊張しました。
□ 演じたラファウについて
この壮大な物語の起点を担う、大事な役割を持ったキャラクターです。
彼自身の中に湧き起こる葛藤や欲求を視聴者の皆さんが一緒に体験
して“知”への渇望を共有してもらえるように、序盤は特に親しみやすさ
を重要視して演じました。
□ ファンに向けて一言
ラファウ役を女性が演じることを意外に思う方もいるかもしれません。でもオーディションを受けて選んでいただいたからには、これぞラファウだと思っていただけるような仕事をしなければと、原作ファンのひとりとして使命感を持って臨みました。違和感なく楽しんでいただけると信じています。
■ 津田健次郎(ノヴァク役)コメント
□ 原作・台本を読んだ時の感想
命懸けで地動説に挑む主人公達と弾圧していく体制側の人間達の強烈なドラマ。感動しました。夜空を見上げる事が神聖な行為に思える程に。そして、タイトルの深さよ。
□ 演じたノヴァクについて
なんとも魅力的な悪役です。この物語世界における冷徹な正義の執行代理人であり、子煩悩な家庭人。強い意志で任務を遂行しながらも、根源的な問いや世界の常識の変革に翻弄される脆弱さも持つ個性は、演じていて楽しいです。
□ ファンに向けて一言
命懸けで自分の信じたものを貫く強さ、人間達の強烈なドラマ、簡単には掴めないテーマ、様々な要素を孕んだエンタテイメントです。是非ご覧下さい。
■ 速水奨(フベルト役)コメント
□ 原作・台本を読んだ時の感想
信仰が権威を持ち、真実よりも為政者の都合が優先される世界。
物語だけでなく、人間の集合体では良くある事。諦観の中、生きるか、それとも…
歯ぎしりするほどの悔しさ、悲しみを感じながら読みました。
□ 演じたフベルトについて
怜悧な頭脳と、迸る情熱。圧政に屈することなく、いや理性では屈しても、真理を、解を希求する熱に冒され「地動説」に魅せられる。悲しくも、美しく、そして罪な研究者だと思います。
□ ファンに向けて一言
享受する娯楽作品ではありません。
心の痛みを共有して、想像の翼をいっぱい拡げて「チ」をご覧ください。
■ 「チ。 ―地球の運動について―」
□ スタッフ
原作:魚豊「チ。 ―地球の運動について―」(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)
アニメーション制作:マッドハウス
□ キャスト
ラファウ:坂本真綾
ノヴァク:津田健次郎
フベルト:速水奨
(c)魚豊/小学館/チ。 ―地球の運動について—製作委員会