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“心地よさ”が抜群に高いヘッドフォン「Sonos Ace」 仕事の休息で音楽につつまれよう

2024年07月23日 20:01  ITmedia PC USER

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カラーバリエーションは2色あります。お借りしたのはソフトホワイトで、他にブラックもあります

 この連載は"仕事術"をコンセプトにしています。ですが「たまには息抜きを」ということで、ヘッドフォンに関しての話題です。


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 今回はホームサウンドシステムなどを手掛ける米Sonosから発売された同社初のヘッドフォン「Sonos Ace」を試す機会を得られました。私は「ある程度は心地よい音楽を」とこだわりはあるものの、ハイレベルな音質の違いが分かるほどの耳は持ち合わせていません。


 そのため、主に装着感や使い勝手の観点でのレビューになります。音質比較などについては、他レビューをご参考いただければと思います。


●私のヘッドフォン・イヤフォン環境


 最初に、多少私の環境を紹介させてください。音を聞き分けられるほどの耳は持ち合わせていないと言いつつも、「音質がよい」といわれるヘッドフォンやイヤフォンについて興味は大いにあります。


 ほぼスペック情報に満足しながら使っている形ですが(笑)、音楽再生にはソニーのウォークマン「NW-ZX507」、ヘッドフォンもソニーの「WH-1000XM4」を使っています。


 一定レベルを超えた機材であれば十分に満足できるので、オーディオ関連のグッズは頻繁に買い換えることはありません。そのような状況でも、上記の2つは比較的最近に買い替えた製品かなと思います。


 ──と、ある程度のモノは所有していますが、実は頻繁にじっくり音楽鑑賞をすることは多くありません。仕事中はヘッドフォンはイヤフォンを装着することはなく、電車での移動時はどちらかというと読書か寝ていることが多いです。


 私の使い方は「家でじっくりと、静かにキレイな音楽を聞きたい」──そんな用途が中心です。


●Sonos Aceを装着して、シンプルに“非常に心地よい”


 そんな私がSonos Aceを使ってみました。何だか身もフタもないもない感想ですが、“心地よい”という感想が一番しっくりときました。


 音質は、柔らかい印象を受けます。手持ちのWH-1000XM4は、どちらかというとソニーらしいドンシャリ系ですが、Sonos Aceは“柔らかい”イメージです。


 これ、リラックスする時にヘッドフォンを使う私の使い方としてかなりいいなと思いました。Sonos Aceで試聴している時に思わず心地よくて寝落ちしてしまったほどです。もちろん楽曲によりますが、クラシックやオーケストラとの相性は特に良いですね。


 ただ、私がそもそもヘッドフォンをあまり使わないのは、ヘッドフォンの装着が苦手だからです。密閉感や圧迫感により、長時間着けていると疲労を感じてしまいます。しかし、Sonos Aceは装着していても“心地よい”と感じる場面が多いです。


 「ヘッドフォンの中では」という言い方にはなりますが、締め付けがかなり弱いです。それでいて、ズレたり、隙間があるわけではありません。正直、装着感はWH-1000XM4を大きく上回っています。


 とはいえ特にこの夏場、暑い場所でヘッドフォンをするのは無理ですね……。ある程度涼しい部屋であっても、どうしても汗が気になってしまいます。


●ノイズキャンセリングも秀逸、使い勝手もヨシ


 現代のヘッドフォンの定番機能であり、心地よさの1つの要素となるノイズキャンセリングについて、こちらはかなり強力です。


 そうはいっても、人の声はあまりキャンセルしないようになっているのか、私が本当に使いたい用途とは少し異なりました。


 私がカフェなどでヘッドフォンを使う場合、周囲の音を遮断したいというケースが多いです。しかし、Sonos Aceのノイズキャンセリング機能をオンにすると、逆に隣の人の声が聞こえやすくなるという本末転倒なことが起こりました。


 再生している音楽の音量を上げればいいのですが、集中して仕事したい時は、そもそも音を耳にしたくない(ノイズキャンセルだけオンにして耳栓代わりにしたい)のですが、ノイズキャンセリングのこうした事象はSonos Aceに限った話ではありません。音楽を聞くためのノイズキャンセリング機能としては、レベルが高いと感じます。


 また、ヘッドフォン本体に物理的なボタンがあるのもグッドです。AirPodsのようなタッチ操作のヘッドフォンやイヤフォンも多いですが、はっきり言って使いづらいです。耳元でそんな微妙なタッチ操作はできません。多くのヘッドフォンやイヤフォンに搭載されているタッチ操作系は全くと言ってよいほど私は使いません。


 Sonos Aceは音量や再生/停止、ノイズキャンセリングのモード切り替えといった操作が物理ボタンで可能です。ボタンもある程度大きいため、これは使い勝手がよいです。


 そして、個人的にありがたいのが有線接続できる点です。ヘッドフォンは有線接続派で、手持ちのWH-1000XM4も実は有線で使っています。気持ち的な問題かもしれませんが「音は有線接続に勝るものはない」というイメージがあります。こうしたヘッドフォンを使う時は、音を堪能したい時。つまり、Sonos Aceのような高級機で聞くなら「無線というのはちょっと……」という感覚です。


 なお、普段から“ながら聞き”する時は、ヘッドフォンではなく「AirPods Pro」のようなイヤフォンを使うことがほとんどです。「音割れせずにきちんと聞き取れたらいいや」、といった使い方です。


●ヘッドフォンとしてのレベルは高いが価格も……


 製品としていいモノであるのは間違いありません。本体はもちろんのこと、付属のケースに至るまで、きめ細かに高い品質で作り込まれています。


 しかしお値段は7万4800円(税込み)と、気軽に購入するには難しい価格帯です。もう少し低い価格帯のヘッドフォンでも、私は十分満足できます。そもそもヘッドフォン自体が苦手ということもありますが、こうした状況でSonos Aceに手を出すかというと、かなり悩ましいところですね。


 なお、Sonos AceはSonos製サウンドバーと連携し、最大7.1.4chのDolby Atmosを楽しむこともできます。ヘッドフォン単体ではなく、こうしたSonos製品との連動性が生かせる環境をお持ちであれば、他の製品にはない価値が出てくるのではないでしょうか。


 音は、単純な善しあしが付けられるものではないと思います。どちらかと言うと好みに左右される世界でしょう。


 そうした中、Sonos Aceは、装着感や使い勝手も含めた“心地よさ”があります。ぜひどこかで、この“心地よさ”を体験いただけたらなと感じました。


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