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Cerevoがスマホ連動のフィギュア撮影台を発表 「サイコパス」「ペルソナ3リロード」とコラボしたスマートトイも

2024年07月23日 18:21  ITmedia Mobile

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Cerevoが2025年春に発売する予定の「ESTELLAS(エステラス)」

 Cerevo(セレボ)は7月23日、スマートフォンアプリと連携するフィギュア撮影台「ESTELLAS(エステラス)」を発表した。価格は未定で、2025年春頃に発売される予定だ。また同社は同日、ESTELLASを含む「スマートトイ事業」の今後の展開に関する説明会を実施し、アニメやゲームとのコラボレーション商品を順次発売することも明らかにした。


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●ESTELLASの概要


 エステラスは19型ディスプレイ(1280×1024ピクセル、アスペクト比5:4)と2本のLEDライトバーを備えたフィギュア展示/撮影用ケースだ。背景のディスプレイに映像などを表示して、フィギュアの世界観を表現できるようになっている。


 映像はスマホアプリで作成したデータを転送して表示する仕組みだが、一度転送しておけば、保存したデータをもとに単体で動作可能だ。Cerevoでは、撮影台としての用途に加え、小ぶりの製品のプロモーション用器具としての使用も想定しているという。


 サイドにあるLEDライトバーには“絞り”が付いており、色や明るさの調整に加えて、シャープな光の演出もできる。LEDライトは背景に応じて自動的に色を制御することも可能で、光の入射角を絞る機能も用意されている。


 自然なライティングはもちろん、あえて“鋭い”コントラストにするなど、多様な表現が可能だ。


 展示部分を含めた本体全体のサイズは、約410(幅)×330(高さ)430(奥行き)mmで、机上での使用に適している。LEDライトバーは約50(幅)×370(高さ)×50(奥行き)mmで、光源にはフルカラーLEDを採用する。


 Cerevo担当者によると、本製品は「5万円を切る価格を目指したい」という。また、7月28日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される「ワンダーフェスティバル2024夏」において、本製品の実機展示が行われる予定だ。


●「サイコパス」「ペルソナ3リロード」のスマートトイも順次再販/発売


 ESTELLASは、Cerevoが手掛けるスマホアプリと連携する「スマートトイ」の新製品という位置付けだ。同社では、ESTELLAS以外のスマートトイの再販/発売も計画しているという。


DOMINATOR - 10TH ANNIVERSARY EDITION(7月23日から再販開始)


 Cerevoは2016年、TVアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」に登場する特殊拳銃「DOMINATOR(ドミネーター)」を模したスマートトイ「DOMINATOR」を発売した。その後の2023年9月、アニメの10周年を記念した復刻版「DOMINATOR - 10TH ANNIVERSARY EDITION」を発売したが、すぐに“売り切れて”しまった。


 ESTELLASの発表に合わせて、同社は復刻版の第2次販売(再販)を7月23日から開始することを発表した。再販分の受注は直販サイトで受け付けており、価格は14万8500円となる。2024年冬頃に出荷を開始する予定だ。


 DOMINATORは、作中において公安局の執行官が使用する特殊な武器で、対象者の「犯罪係数」を測定し、状況に応じて3つの形態に変形するようになっている。スマートトイとしてのDOMINATORでは、通常の「パラライザー」モードから、より強力な「エリミネーター」モードへの電動変形機能が再現されている。


1/1スケール S.E.E.S.制式召喚器(発売時期未定)


 「1/1スケール S.E.E.S.制式召喚器」は、アトラスの人気ゲーム「ペルソナ3 リロード」の作中で登場するアイテム「S.E.E.S.制式召喚器(EVOKER)」を“原寸大”で再現したスマートトイだ。現時点で発売時期や価格は未定だが、「DOMINATORよりは低価格」(Cerevo担当者)だという。


 ゲーム内では、「特別課外活動部(S.E.E.S.)」のメンバーが特殊能力「ペルソナ」を呼び出す際にEVOKERを用いる。銃の形をしており、「自らの頭に向けて引き金を引く」という独特の使用方法が、ゲーム中の緊迫した雰囲気を演出する。


 Cerevoが開発中の原寸大モデルは、ゲームの世界観を忠実に再現することを目指しているという。変形機能や発光ギミックを搭載する他、ゲーム内の特殊モード「テウルギアモード」も表現できるという。音声機能も実装予定で、ゲームに登場する全キャラクターのボイスが収録される。


親会社ともスマートトイを共同開発


 さらにCerevoでは、親会社のヒビノが開発しているスマートトイの開発を支援する新プロジェクトが進行中だという。こスマートトイを自社開発してきたノウハウを生かした取り組みだ。


 本件の詳細は、8月2日~4日に名古屋市で開催される「世界コスプレサミット2024において発表される予定だ。


●Cerevoはどんな会社?


 先に紹介したスマートトイを開発しているCerevoは、2008年に岩佐琢磨氏が創業したスタートアップ企業だ。社名は「Consumer Electronics REVOlution」に由来し、「コネクテッドハードウェア(つながるハードウェア)」をキーワードに製品開発を行っている。


 2018年4月、Cerevoが当時の子会社だったShiftall(シフトール)をパナソニック(現在のパナソニック ホールディングス)に売却する際(※1)、岩佐氏はCerevoを離れた。2021年5月、Cerevoは当時の経営陣のMBO(マネジメントバイアウト)により完全に独立。2022年11月、ヒビノの子会社となり、同現在に至っている。


(※1)パナソニック ホールディングスは、2024年2月にShiftallの全株式をクリーク・アンド・リバーに譲渡している


 創業以来、Cerevoは多くの製品を世に送り出してきた実績を持つ。主力事業は「ライブ配信機器」と、今回の発表の主役である「スマートトイ」の2つだ。


 ライブ配信機器は、累計40を超える製品を85カ国以上で販売してきた。TV局やTV番組の制作会社でも使用されているという。最新のライブ配信機器「LiveShell W」は、2つのカメラ入力に対応し、遠隔で配信ができる機能も追加された。


 Cerevoの大沼慶祐社長によると、スマートトイに関しては数年先を見越したプロジェクトが複数進行中だという。


 「IP(版権)元と、どのタイミングで公表するかも含めて検討しているものが複数ある」とのことで、アニメやゲームの世界観を再現した商品を継続して提供していくようだ。