Text by CINRA編集部
展示『ANREALAGE collaboration with Kazuyo Sejima “CELL”』が白金台・東京都庭園美術館 正門横スペースで9月1日まで行なわれている。
同企画は「ANREALAGE」のブランド名の由来である、日常のあらゆる境界線を越境するという哲学が、シームレス化により施設全体の回遊性を向上させていくという東京都庭園美術館の方向性と響きあい、邸宅と庭園の一体性・全体性に対する視座を与える試みとしてスタート。
「CELL」は「小さな空間」を意味し、森永邦彦(ANREALAGE)は、東京都庭園美術館館長である妹島和世監修のもと、「衣と住の間」をテーマとして、「空間のような服。服のような空間。その間にあるもの。」を目指し、今回の作品を制作。
扇風機能を備えたファンが取り付けられた服の内部には常に風が送られ、風を孕むことで服は空間に変化し、風がなくなると空間は服に変わるという。服の時は軽やかに流れるドレープと柔らかなボリュームが現れる「移動可能な空間」としての服を追求したとのこと。入場無料。
なお東京都庭園美術館の本館および新館では8月25日まで『生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界』が開催中。詳細は東京都庭園美術館のオフィシャルサイトでチェックしよう。
【森永邦彦(ANREALAGE)のコメント】
巻貝の殻に収まるヤドカリは、体が大きくなれば別の大きな殻を探さなければならない。その場合、巻貝の殻は空間なのか、服なのか。住んでいるのか、着ているのか。どちらでもありそうで、どちらでもなさそうだ。それは衣と住の間であり、日常と非日常の境目でもある。