2024年07月17日 12:00 おたくま経済新聞
男性にとっても「性器の悩み」は非常にデリケートで人に相談しにくいこと。多少のことなら、放っておいても大丈夫だろう……と油断していると、取り返しのつかないことになるかもしれません。
泌尿器科医である、ほうけ医師さん(以下、ほうけ医師)がXで呼び掛けたのは「睾丸の強い痛み」について。デリケートだからこそ、特に男の子を持つ親には知っておいて欲しい内容に、2万件を超える「いいね」が寄せられています。
ほうけ医師は、大学病院にて泌尿器科専門医・指導医として10年勤務する医師。Xでは泌尿科の内容や、心に残ったことをポストしているほか、登録者200名を超える無料の子ども向けマイクラサーバー「CraftFriends」を運営するなど、活動の幅を広げています。
そんなほうけ医師が注目を集めたのは、泌尿器科外来を受診したという12歳の男の子のエピソード。なんでも、数日前から睾丸に痛みを感じていたものの我慢をし続け、病院を訪れた際は歩くのもやっとという状態だったそう。
「もう玉は壊死しちゃってるだろうな」こう思いながらエコーを当てると、睾丸内は全く血流のない状態。いわゆる「精巣捻転」を起こしており、緊急手術が必要なほどの症状に、本人や男の子の母も呆然としていたとのことでした。
なお、手術では精巣の機能が温存できそうなら血流を戻して固定、壊死しているようなら摘出、と対処が分かれるそうです。もしも摘出となっても、もう片側の精巣に問題なければ、将来的に子どもを作ることができるとのことですが、いずれにせよ早く受診するに越したことはありません。
「痛くなってから6~8時間以内に手術しないと精巣機能は失われるため、緊急での手術が必要不可欠です」と、ほうけ医師。
精巣捻転は思春期の男の子に起こりやすい症状ですが、「理論上はどの年代で起きてもおかしくない」そうで、発症するのは寝ている時が多く、夜間である場合は泌尿器科医が当直している病院探しに苦労することも多いそうです。
特に思春期の男の子にとってはデリケートな内容であるため、恥ずかしくて親に言えず、発見が遅れてしまうこともしばしば。言いづらい気持ちは分かりますが、今回のエピソードを決して他人事と思わず、症状への理解を深めておくことや、緊急の受診先を予め決めておくなど、親子で話し合っておいたほうが良い内容と言えるでしょう。
投稿のコメント欄には「これは保健体育で、女の子に月経の話をするように男の子にしてあげてほしいですね」「ちょうど今年12歳と10歳の息子がいるので、まずこの話をして、痛かったらすぐに言うこと、と伝えます」といった反応が続々。
投稿の最後に、ほうけ医師も「世のお父さんお母さん、自分の子どもが男の子であれば、玉が痛くなったら絶対にすぐに言うように、強く言っておいてあげてください」と強く呼び掛けています。
<記事化協力>
ほうけ医師/泌尿器科専門医・指導医さん(@phimo_surgeon)
(山口弘剛)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024071703.html