高収入な人たちの暮らしは、贅沢だと思われがちだ。しかし、収入があっても節約生活を欠かさない人がいる。都内でITエンジニアをしている40代男性は年収1000万前後なのに、スーパーの価格調査を徹底して節約生活を送っているという。その節約方法を聞いた。(文:昼間たかし)
「週1回、ネットチラシを手入力でExcel表に」
湾岸エリアのマンションで妻と娘(3歳)の三人暮らしをする男性が、普段利用している近所のスーパーは4軒。男性は、その価格を調査し、もっとも安いときに購入することを徹底している。
「基本のデータは、スーパーのネットチラシです。これを手入力してExcelの表にしています」
作業は毎週各スーパーが新しいチラシを配布したタイミングで行うため、週一回程度のペースだ。作業をするようになって3年ほどだが、データ化はかなり有益だという。
「たぶん、数カ月作業すれば、その地域での標準的な価格と底値が誰でもわかるようになると思います」
男性がデータ化しているのは基本的な食料品が中心だ。表を拝見させてもらったところ、米・卵・牛乳・牛肉・豚肉・鶏肉・シャケ切り身・キャベツ・ニンジン・じゃがいも・しめじ・えのき・ピーマン・きゅうり・バナナなどの項目があった。
Excelにすることで、週ごとにどこが一番安く買えるかが一目瞭然だ。
「まず、底値がわかるので通常価格では買わなくなりますよね。その底値も各店舗で数円の差があります。わずか数円でもバカにはできないと思っています。本当は洗剤などの日用品などにも手を広げたいのですが、さすがに手間なので食料品に絞っています」
この結果、どの程度の節約になっているのだろうか。
「時々、それぞれのスーパーだけで買い物した場合と自分が底値で買った場合とを比較してますが、月に1万~1万5000円程度ですね。決して大きい金額ではありませんが、無駄遣いをしないと意識づけるベースになっていると思います」
ちなみに、男性は衣服や家電なども計画的に購入しているという。
「衣服は季節に一回程度、夫婦でタンスを整理して必要なものをピックアップして買うようにしています。家電は年単位で、なにを買い換えるか相談しますね。もっとも、突然テレビが壊れたなんてことはありますけど」
しかし、都内でも年収が1000万円あれば、もうちょっと「ゆるく」生活できるのでは?
「30歳になったばかりの頃、投資で失敗したことがあるんです。株やFXに興味をもって自分もいけると思ったわけですが……その頃の貯金500万円が吹き飛びました。結局、資産を気付くには地道に貯金しかないと思ってます。新NISAとか、安定運用で暮らすとか、全部嘘に決まってますよ」
とにかく、今は遅く授かった子供のために、できる限り貯金しておきたいという男性。
ちなみに唯一の例外は「子供の服」で、「妻も私もすぐに買っちゃうんです。この浪費だけはやめられません」と語っていた。
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