「ヒュンメル(hummel)」が新たに立ち上げたデイリーウェアライン「ヒュンメルオー(HUMMEL 00)」が、デビューとなる2025年春夏コレクションをランウェイショー形式で発表した。
コレクションのテーマは「ホテルヒュンメル(HOTEL HUMMEL)」。デザイナーの前野亮が海外のリゾートホテルに滞在した際、さまざまな年齢や人種の人々が異なる目的でホテルロビーを行き交う様子から感じ取った統一感を着想源に、架空のリゾートホテルに集まった人々のワードローブをイメージして製作した。会場に選ばれたのは、SHARE GREEN MINAMI AOYAMA。雨の中、緑に囲まれた広場で、バカンスムード溢れる30ルックが披露された。
ファーストルックには、夕暮れのようなグラデーションをあしらったシャツが登場。デンマークで季節の変わり目に見られる、ムクドリが夕暮れの空に飛び立って太陽を隠す現象「ソート・ソル(黒い太陽)」の様子を表現した。そのほかにも、デンマークの国鳥であるコブハクチョウをプリントしたシャツや、2000年代のデンマーク軍のニットをサンプリングしたスウェットなど、デンマークの要素を取り入れたルックを多数披露した。
コレクションのキーとなったのは、ホテルの壁紙に使用されるような、植物や動物などの自然界のモチーフをデザインしたパターン。「ホテルのお土産」をテーマに、スカーフやバスローブ、バッグなどに随所にあしらわれた。そのほか、オーバーサイズのテーラージャケットやシャツも登場。サックスブルーやライムイエローといった爽やかなカラーを基調としたルックは、梅雨を感じさせるジメジメとした空気の中、涼しげに光った。
前野は、デビューコレクションについて「北欧の文化であるヒュッゲ(デンマーク語で「居心地の良い時間や雰囲気」を意味)をもとに、快適さを重視して製作しました。また、同じく北欧のミニマリズムの文化からインスピレーションを受け、ヒュンメルが持つスポーツブランドならではの優れた機能の中から、日常生活で必要な機能だけを厳選して取り入れました」とコメント。なお、アンダーウェアやラインソックスなどの小物には、ヒュンメルのインラインのアイテムを使用した。ブランドコンセプトに「ボーダレス」を掲げていることから、さまざまなシーンを行き来するようなコーディネート提案として取り入れたという。