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鈴鹿8耐:「もちろん優勝を獲りに行きたい」と中山耀介。若手3名でSSTクラス2連覇目指すNCXX RACING

2024年07月12日 15:20  AUTOSPORT web

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中山耀介(NCXX RACING with RIDERS CLUB)/2024鈴鹿8耐テスト
 約1週間ほどに迫ってきた2024年の鈴鹿8耐は、46チームがエントリーしており、今年も混戦が予想される。ダンロップタイヤのワンメイクで争われるSSTクラスも、強豪が多数参戦している。昨年のNSTクラス優勝を飾ったNCXX RACING with RIDERS CLUBは、体制新たに挑むことになるが、2年連続でのクラス優勝を目標に掲げているという。

 2014年から鈴鹿8耐に参戦しているNCXX Racingは、2016年と2017年に2年連続でSSTクラスで3位表彰台を獲得。さらに2チーム体制となった2018年に優勝、そして2019年は2位、さらに2023年は優勝とSSTクラスにおいて表彰台常連の強豪チームのひとつだ。

 監督は、1993年にロードレース世界選手権GP250クラスチャンピオンを獲得した経験も持つ原田哲也氏が務めている。毎年強力なライダーラインアップが敷かれるが、今年は井手翔太、伊達悠太、中山耀介と若手ながらも経験豊富なライダーで挑む。2023年から加わった中山は、今年の体制について次のように印象を語った。

「SSTクラスで走るなかでは3人揃って速いというのが、このチームの良いところかなと思います。去年は前田恵助さんと伊藤勇樹さんと組ませていただきましたが、ふたりは落ち着いていたのに対して、僕はどうしてもタイムを目指してしまうところがありました。けれど、去年優勝したということもあり、今年は落ち着いて取り組めるようになりました」

「井手くんと伊達くんは、それこそ実際に去年の僕みたいに少しタイムを出したいという欲があるようです。やはりメーカーはタイムを出すと見てくれるというところもあるので……。なので、タイム出しはふたりに任せて、僕はもうレースのことだけを考えていこうと思っています」

 優勝を経験したこともあり、落ち着いて心の余裕も生まれてきたという中山。今年は新たに加わった井手と伊達を引っ張っていくリーダー的存在となる。そんな体制新たに臨むNCXX RACINGは、事前に行われた2度のテストでも順調にメニューをこなしていたようだ。

「去年はブリヂストンタイヤでしたが、僕はダンロップタイヤに変わって、あまりタイヤが変わったことが気にならないタイプなのもあり、意外と乗れたなという感じでしたね。乗ってみると『意外にタイムが出た!』という感じだったので、良かったです」

「テストを通してマシン的にも落ち度なく進めています。今は結構トラブルなども出てきてはいますが、逆に今トラブルが出ているからこそ、決勝に向けて準備していけるかなと思っているので、今トラブルが出ている分には助かっています」と中山。

 また今年新たに加わった井手は、チームの中でも最年少だという。しかし、普段全日本ロードのST1000クラスで戦っていることもあり、迅速にマシンとチームに対応させている。事前テストでも中山と同様に有意義なものになったようだ。

「マシンは全日本ロードと同じパッケージなので、ST1000とほぼ同じですね。タイヤと耐久仕様という点で少しの違いはありますが、基本的に同じヤマハYZF-R11でレースが出来ているので、前回のテストから違和感なく、良いタイムで走れていると思います」

「まだ気温もそんなに上がっていないので、ダンロップの特性という面では、まだネガティブなイメージはないです。あと、原田監督には8時間のレースに向けて、組み立て方やチーム力の上げ方も聞けてとてもお世話になっています。人脈も広いので、タイヤメーカーやベテランライダーの方からアドバイスを頂けるので、とても助かっています」と井手。

 3名の中では最年長の伊達、そして最年少ながらも経験豊富な井手、そしてチーム2年目の中山と強力な若手で戦っていくことになる。SSTクラス2連覇に向けて準備万端な様子も伺える彼ら。そんな中山と井手は次のように意気込みを語った。

「意気込みとしては、もちろん優勝を獲りに行きたいです。けれど、タイヤ交換が速いチームが結構いるので、そこをライダーである程度詰めていけるようにはしたいです。ただ無理はせず、まずはしっかりと8時間を走り切るということを一番念頭に置いて頑張りたいです」と中山。

「やはり優勝常連かつ、昨年優勝しているチームなだけに、これで優勝を逃すと『ライダーが違うからか』と言われ兼ねません。ライバルチームも速いですが、SSTクラス2連覇できるようにがんばります」と井手。

 チームの体制は変わったものの、強力なふたりが加わったことで事前のテストでも変わらず速さを示しているNCXX RACING with RIDERS CLUB。本番では強豪揃いなため、一切気が抜けない戦いとなりそうだが、若手パワーを爆発させて、2連覇を目指す彼らの戦いぶりに注目したい。