2024年07月11日 21:01 ITmedia Mobile
JR東日本(東日本旅客鉄道)は7月11日、二次元コードを利用したチケットレス乗車サービス「えきねっとQチケ」を10月1日から導入することを発表した。サービス開始当初は東北地区でのみ利用可能だが、利用可能エリアは順次拡大される。
●えきねっとQチケの概要
えきねっとQチケは、JR東日本のWeb予約サービス「えきねっと」で予約したきっぷ(乗車券類)にひも付いた「乗車用QRコード」を発行することで利用できる。
えきねっとQチケに対応するきっぷ
乗車用QRコードを発行できるのは、対象エリア内で完結する以下のきっぷで、JR東日本の「株主優待割引」「大人の休日倶楽部割引」「JRE BANK優待割引」も適用できる。
・普通乗車券
・普通乗車券+特急券
・新幹線特急券は普通車自由席、普通車指定席、グリーン車/グランクラス指定席に対応
・在来線特急券は普通車指定席とグリーン車指定席に対応(※1)
・指定席特急券の購入には「JRE POINT」を還元(新幹線は2%、在来線は5%)
なお、以下のいずれかに当てはまると乗車用QRコードを発行できないため、本サービスを利用できない。
・申し込んだきっぷが、対象エリア外にまたがる場合
・JR他社(JR北海道/JR東海/JR西日本など)や私鉄にまたがるきっぷも同様
申し込んだきっぷが特急券のみの場合
申し込んだきっぷが「トクだ値」(※2)の場合
(※1)「在来線チケットレス特急券」または「在来線チケットレス特急券(トク割)」を購入する必要がある(※2)乗車券と特急券が“一体化”した割引きっぷ。新幹線用は「新幹線eチケット(トクだ値)」、在来線用は「特急トクだ値」という名称で販売されている
えきねっとQチケの利用方法
えきねっと(Webサイト/アプリ)できっぷを予約(購入)する際に、えきねっとQチケを利用できる場合はその旨が表示される。利用を希望する場合は、その旨を選択して予約を完了させよう。
なお、えきねっとQチケ利用時の決済は、クレジットカードによる事前決済のみとなる。コンビニ・金融機関支払い(Pay-easy)や駅支払い(みどりの窓口/指定席券売機での払い込み)は利用できないので注意しよう。
えきねっとQチケにより発行された乗車用QRコードは、「「えきねっとQチケ」アプリ(※3)でのみ発行できる。複数人分のきっぷを予約した場合、同行者分の乗車用QRコードは予約者(代表者)のアプリから発行可能だ。
(※3)現在の「えきねっと」アプリ(8月にアプリ名を改める予定)
えきねっとQチケでは、入場駅(旅行を開始する駅)で「チェックイン」、出場駅(旅行を終了する駅)で「チェックアウト」を行う必要がある。チェックインとチェックアウトの方法は以下の通りだ。
・QRコード対応自動改札機のある駅:乗車用QRコードをリーダーにかざす
・QRコード対応自動改札機のない駅:えきねっとQチケアプリで「セルフチェックイン」「セルフチェックアウト」操作を行う
●利用可能なエリア
サービス開始当初、えきねっとQチケは東北エリアの新幹線/在来線(※4)で利用できる。エリアの「出入口」となる駅は以下の通りだ。
・東北新幹線:郡山駅
・東北本線:同上
・常磐線:いわき駅
・磐越西線:喜多方駅
・羽越本線:鶴岡駅
・米坂線:今泉駅
(※4)気仙沼線およびJR東日本BRT(気仙沼線BRT/大船渡線BRT)は対象外。また、JR東日本が示す対象区間マップを見る限り、現状では只見線の福島県区間も対象外のようだ
JR東日本では今後、以下のスケジュールで対象エリアを拡大していく方針だ。
・2025年度下期
・東京都区内の在来線
・東北新幹線(東京~郡山間)
2026年度下期
・上信越(群馬/長野/新潟)エリアの在来線
・上越新幹線(大宮~新潟間)
・北陸新幹線(高崎~上越妙高間)
2026年度末
・JR東日本エリア全域
対象エリア外に直通する列車はどうなる?
先述の通り、えきねっとQチケは対象エリア内で“完結”する乗車でのみ選択できる。そうなると気になるのが、対象エリア外に直通する列車の扱いだ。
結論からいうと、エリア外に直通する列車でも、乗車する区間や経路がエリア内で完結する場合はえきねっとQチケを選択できる。例えば東京~新函館北斗間を運行する「はやぶさ号」の場合、東京~仙台間はエリア外(※5)で、新青森~新函館北斗間がJR北海道エリアとなるが、仙台~新青森間で完結する場合はえきねっとQチケを選べる。
(※5)本来は郡山駅からエリア内なのだが、はやぶさ号は通過する