2024年07月11日 17:21 ITmedia PC USER
ペンのように握って操作できる、サンワサプライのペン型マウス「400-MAWBT202」。このマウスをWindows PCで試してみたところ、作業スペースの少ないところでも操作しやすく、ペン型なので持ち歩くのに苦にならないことが分かった。
これだけ便利なのだから、他のOSを搭載したデバイスで使えたら、もっと活躍の幅が広がるのでは――そう思い付いた筆者は、「Chromebook」「iPad」「Androidスマートフォン」「Fireタブレット」につないで使ってみることにした。果たして、どのような結果になるのか……?
●Chromebookと組み合わせてみる
Chromebookは起動が早く、テキスト入力や写真加工など軽めの作業をするのにちょうどいい。モバイル通信モジュールを内蔵しているモデルなら、出先でも公衆Wi-Fi(無線LAN)を探したり、スマホのテザリングを起動したりすることなく、サクッと作業を始められる。
そんなChromebookと、400-MAWBT202を合わせられたら出先での作業もはかどるはず。筆者の愛用しているChromebookはレノボ・ジャパンの「Lenovo 14e Chromebook Gen 3」だ。「(タッチパッドを)タップしてクリック」に設定しているのだが、どうにも感度が悪く、ガチッとパッドを押し込まないといけないので、少しストレスを感じていた。
ならば、初めからマウスを使う方が精神衛生上よろしい。しかも400-MAWBT202なら持ち運びも楽なので、出先作業にぴったりだ。
というわけで、使えるかどうかを試してみる。
まず、Bluetooth接続ができるかどうかだが、当たり前かもしれないが普通に接続できたし、マウスとして使うこともできた。
Lenovo 14e Chromebook Gen 3にはUSB Standard-A端子もある。そこで、400-MAWBT202のペン尻に格納されているUSBレシーバーを使った接続も試みた。
このUSBレシーバーは、「USB HID(ヒューマンインタフェースデバイス)準拠」の標準的なマウスとして認識される。そのこともあって、この方法でも問題なく接続できた。
では、400-MAWBT202の各ボタンは機能するのだろうか? これまた当然かもしれないが「ダブルクリックボタン」はもちろん、「右クリックボタン」や「ホイールボタン」も問題なく使えた。
ChromebookのWebブラウザは「Google Chrome」だ。通常、PC(Windows/macOS/ChromeOS)向けのChromeでは、ミドルクリック(ホイールボタンのクリック)をすると当該タブが閉じられる。
試しに400-MAWBT202でミドルクリックを行ったところ、正常にタブを閉じることができた。400-MAWBT202とChromebookの相性は良さそうだ。
●iPadと組み合わせてみる
2019年「iPadOS 13」によってiPadでマウスを使えるようになった。その時、筆者は「おおおおお」と地鳴りのような歓声を挙げた。しかし今では、「iPadでマウス」は普通の光景なのかもしれない。
筆者が持っているiPadは、2020年発売の「iPad Pro 12.9インチ(第4世代)」で少し古い。最新のペン型マウスである400-MAWBT202は、問題なく使えるのだろうか……?
まず、Bluetooth接続を試みた。こちらは問題なく接続できた。
マウス操作について、個人的に“くせ”があると感じるiPadOSだが、マウスカーソルはきちんと追従するし、右クリックボタンもしっかりと機能する。
ホイールボタンのホイール操作だが、下から上へ転がすとウィンドウ内の表示は上へ移動し、上から下へと転がすとウィンドウ内に表示されているものは下へと移動していった。これも正常な動作だ。
次に、USBレシーバーでの接続を試してみよう。iPad ProにはUSB Standard-A端子はないため、今回はUSB Type-Cハブを経由して接続したところ、問題なく利用できた。
●Fireタブレットと組み合わせてみる
次は、AmazonがAndroid OSをベースに開発している「Fire OS」を搭載するタブレット端末「Fireタブレット」で試してみよう。
筆者は11型の「Fire Max 11」を愛用しており、リビングでの軽作業をこなしている。バッテリーの駆動時間が長く、コンパクトでテーブルの上でも場所を取らないことがお気に入りポイントだ。セット購入したキーボードも、前モデルと比べると入力しやすくて、重宝している。
果たして、Fire OSは400-MAWBT202を受け入れてくれるのだろうか……?
まずBluetooth接続を試してみる。結論をいえば、ダブルクリックボタンで写真やアプリを開いたり、右クリックボタンでコンテクストメニューを表示したりと、ほとんどの機能を問題なく利用できた。
USBレシーバーを使った2.4GHzワイヤレス接続も、USB Type-Cハブを介して行うことができた。
ここまで読んできた皆さんの中には、「400-MAWBT202には『USB Type-C変換アダプター』が付属しているのに、なぜそれを使わないの?」と疑問に思った人もいるだろう。これは筆者の利用スタイルに起因する。
筆者は普段、USB Type-Cハブを持ち運んで使っている。変換アダプターを付属のポーチに入れていたとしても、“うっかり屋”の筆者はすぐになくしてしまいそうである。「だったらUSB Type-Cハブに差し込んでおいた方がいいよね」ということで、USB Type-C変換アダプターを使っていない。
「私は絶対になくさない!」という人は、USB Type-C変換アダプターを活用するのもアリだ。
Fire OSでは、標準のWebブラウザとして独自の「Amazon Silk」を採用している。Chromeではないのだ。
先述の通り、Chromeではタブ上でミドルクリックするとタブが閉じられるが、Silkではそのような機能を備えない。唯一、本件だけが残念な要素だが、そもそもそれほど多用する機能でもない。ゆえに「まあいいか」という気持ちでいる。
それよりも、コンパクトなフットプリントのFire Max 11に省スペースで済む400-MAWBT202をつなげて使えることは、メリットが大きい。
少し離れたところでAmazonプライムビデオを再生していても、400-MAWBT202を手のひらなどに当てれば、手元で操作できるのは“快感”だ。
●Androidスマホと組み合わせてみる
最後に、普通のAndroidスマホで試した結果も紹介したい。検証に使ったのは、サムスン電子の「Galaxy S23 Ultra」と、ZTEの「Libero 5G III」だ。
Bluetooth接続では、両機種共に一般的なBluetoothデバイスと同様にペアリングできた。
その上で、ダブルクリックや右クリックといった一般的な機能も問題なく使える。
もちろん、USBレシーバーを使っての接続も問題なく行えた。
「いや、スマホにマウス、不要でしょ?」と思われそうだが、例えばGalaxyの上位機種には、外部ディスプレイと接続するとミニPCのように使えるデスクトップモード「Samsun DeX」がある。
DeXモードの利用時は通常、スマホのタッチパネルをタッチパッドとして使う。しかし、せっかくディスプレイがスマホ本体を含めて2枚あるのに、その片方を「カーソル移動操作用入力機器」にしてしまうのは、なんだか惜しい。できればサブディスプレイとして情報を表示したい。
そこでマウスの出番なのだ。普通のマウスだと大げさな雰囲気になってしまう。しかし、400-MAWBT202なら、見た目的にも違和感が少ないと思う。
400-MAWBT202はマルチペアリングタイプではない。そのため、先にペアリングしたデバイスのBluetoothがオンになっていると、新たなデバイスとのペアリングを行えない。
使わない端末のBluetoothをオフにするか、遠ざけるか、もしくは使わないデバイスでのペアリングを解除をしておく必要がある。
だが、400-MAWBT202には2.4GHzワイヤレス接続という“切り札”がある。USBレシーバーを使えば、有線接続のように端末をいくらでも切り替えられる。いくつも端末を持ち歩き、作業に応じて端末を切り替えたいというニーズにもピッタリハマる。
400-MAWBT202はBluetoothでのマルチペアリングには対応しないが、マルチOS対応なので、今後もバッグに忍ばせておき、都度活用していきたい。