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Moto3:古里太陽、今季2度目の表彰台に満足も「勝てるチャンスがあっただけに悔しさが残る」/第9戦ドイツGP

2024年07月11日 06:40  AUTOSPORT web

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Moto3:2位表彰台を獲得した古里太陽(Honda Team Asia)/2024MotoGP第9戦ドイツGP 決勝
 7月7日、2024年MotoGP第9戦ドイツGP Moto3クラスの決勝がザクセンリンクで開催された。古里太陽(Honda Team Asia)は、一時表彰台圏外まで順位を落としたが、見事な追い上げで今季2度目の表彰台を獲得した。

 古里は、今シーズン開幕戦カタールGPで表彰台を獲得して以降、上位グループで争うことも増えてきた。前戦のオランダGPでも予選で2番手を獲得し、決勝で序盤は優勝争いも繰り広げていた。しかし、残り5周で自身のミスが響いたことにより13位で終える結果となり、悔しい戦いが続いていた。

 今回のドイツGPでも、初日からトップ10圏内に入る走りを見せていた。土曜日朝のフリー走行2回目で転倒を喫する場面もあったものの、予選Q2では8番手を獲得。古里は「初日からいいスタートを切れていただけに、今日の結果には満足できません」と語っていた。

 そんな悔しさもバネに、決勝では好スタートを決めて、序盤から表彰台争いに加わる好走を披露した。わずか4周目に2番手に浮上したが、翌周にはダビド・ムニョス(BOE Motorsports)のハイサイドによって、弾き出される形でコースアウト。古里はトップ集団の後方につけたものの、9番手まで後退を強いられてしまった。

 しかし、そんなアクシデントを物ともしない走りで追い上げを図る。トップ集団の中では最も早いペースでラップを刻み、わずか4周ほどで表彰台圏内に再浮上すると残り6周でトップに踊り立つ。混戦のなかで順位が目まぐるしく入れ替わるなか、ラスト2周でトップを奪われたダビド・アロンソ(CFMOTO Gaviota Aspar Team)に古里が真後ろにまで詰め寄る。

 しかし、ここまでタイヤを酷使していた古里は、最終ラップでややリヤが滑り、あわや転倒という状態に。古里によると「必要以上にスロットルを開けてしまった」ことが原因だという。そのため、後方からアンヘル・ピケラス(Leopard Racing)に迫られるなかでも、なんとか持ち堪えて古里が2位でチェッカーを受けた。

 今季2度目の表彰台獲得となったが、自身初優勝も見えていただけにパルクフェルメでは悔しそうな表情も浮かべていた。とはいえ、サマーブレイク前の今大会を2位表彰台を獲得し、いい締めくくりが出来たのではないだろうか。着実にレベルアップさせている古里が、中盤戦以降で今回お預けとなった初優勝を勝ち取る姿が見られることに期待したい。

■古里太陽(予選:8番手、決勝:2位)
「今日の結果には本当に満足しています。正直なことを言えば、このような優勝争いができるとは思っていませんでした。僕たちの今日の目標は表彰台獲得ではなかったため、ザクセンリンクで2位表彰台を獲得できるとは、信じられない気分です」

「一方で、今日のレース展開を振り返ってみると、勝てるチャンスがあっただけに悔しさも残ります。わずかなミスが大きな違いを生むこともあります。レースではタイムをロスするような状況に巻き込まれる場面もありましたが、アロンソ選手を捉え、スリリングなバトルを繰り広げられました。全体的にはいいレースができたと思います」

「しかし、最終ラップでミスをおかしてしまいました。必要以上にスロットルを開けてしまい、タイムをロスしました。それでも表彰台を獲得できたのはポジティブな結果です。弛まぬ努力とハードワークで私を常にサポートしてくれるチームに感謝しています。次のレースが待ち遠しいです」

■青山博一監督
「今日のザクセンリンクの決勝は、古里選手が8番手から、ブーシュリ選手が24番手からのスタートでした。古里選手は今日のレースを2位で終えることができ、見事に表彰台を獲得しました。古里選手は常にほかのライダーを捉え、オーバーテイクしていくことで、レース中のすべてのシナリオをうまくこなしました」

「古里選手には優勝のチャンスもあったものの、最終的には2位でした。残念ながら最終ラップでわずかなミスをおかしたため、タイムを落としてしまいました。些細なこととはいえ、それを克服できればライダーとしてさらに成長できます。最終的には表彰台に上れたので、ポジティブな週末となり、本当にうれしく思います」

「ライダーとスタッフ、いつも私たちを支えてくれるスポンサーの皆さま、そしてすべてのサポーターの皆さまに感謝を申し上げます。次戦のシルバーストーンでは、さらにいいレースをお見せできることを願っています」