学校給食がひどい、おかずが少ないという批判がSNSでたびたび上がっているが、現場で働く人たちが疲弊していることはあまり知られていない。
栄養士として働いている埼玉県の40代後半の女性(年収250万円)は、
「給食事業の現場と、それをフォローする管理事業部の両方で人手不足」
と切実な状況を訴えた。(文:天音琴葉)
「補充されなかった分の人件費が、スタッフに割り当てられることはない」
調理の現場では、派遣された調理師の人数が少ない日があったとしても、献立通り、時間内に作らなければならない。まさに戦場だろう。女性も「当日のメンバーで乗り切るしかない」というが、こんな問題も……
「それがこなせるとメンバー不足のままでも、運営できると思われ当初より、一人当たりの仕事負担が1.5倍ほどになってくる」
その分、給料が増えればまだいいが、「補充されなかった分の人件費が、スタッフに割り当てられることはない」といい、泣き面に蜂である。「過重労働から退職者が増えていく」とも明かし、さらに
「本来フォローに当たる事業部スタッフも、調理の補助に入ることばかりで、通常の業務が対応できないため、慢性的に全ての現場が不具合や対応遅れにより上手くいかなくなる」
と負のスパイラルに。一方で、委託元はこうした事態を知らないという。女性は栄養士という立場柄、これらの施設の職員と直接関わることが多く、板挟みになっているのだろうか。「関係性も上手くいかない」とこぼしていた。
※キャリコネニュースでは「人手不足の職場」をテーマに投稿を募集中です。回答はこちらから https://questant.jp/q/O7P2ESCS